メンバーに自発性を求めるなら、それが発揮されるような環境をつくること
リーダーがメンバーに求める能力の上位に「自発性」が来ます。
と、同時に、それを持っているメンバーが少ないのも事実です。
そこで、何とか自発的になって欲しいと様々なことを要求するわけですが、なかなか変わりません。
なぜ変わらないのか?
どうすれば自発性は身に付くのか?
今日はそんなことを考えてみたいと思います。
自発的になるかどうかは環境で決まる
まず確認すべきは、「そもそも人は自発的である」という事です。
そして、それが発動されるかどうかは環境で決まるということ。
植物は自発的に成長しますが、それはちゃんとした環境の下でですよね。
土が悪いところでは育たない。
植物に成長を求める前に土に手を付けなきゃいけません。
人間も同じ。
自発性が足りないように見える人は、自発性が発揮される環境で育たずに能力に蓋がされてしまっていて、それが常態化しているのだと考えます。
だからリーダーの役割は蓋を外すこと、自発性が発揮される環境を整えることだと考えるのです。
その方法は、メンバーに考えてもらうことがベストです。
先日、兵庫県内の企業さんで研修を行い、その方法を使いました。
手順は次の通りです。
1、人に言われなくても自発的に何かに取り組んだ経験を挙げる
2、その時にどんな事を感じたか?
3、自発性が発動されるために大切なことは何か?を考える
この中の3が自発性が発動される要件です。
このワークでは大抵、こんな要件が出ます。
・意義を持つ
・自分で決める
・仲間と共に取り組む
・楽しい
次に、この要件をもとに自分のチームでやる事を考えます。
お分かりでしょうか?
全て自分たちで考えてもらうのです。
自発性を考えるワークで、講師が一方的に語ってしまっていは、そもそもが違います。
簡単な方法なのでオススメします。
自分たちで考え決め、やってみて改善する
さて、お邪魔した会社では上記の4つの要件をもとにして自社の取り組みを考えました。
その会社はサービス業です。
最も大切なことは既存客の満足と考えました。
どのくらいの満足かと言うと、家族や友人に口コミをするくらいです。
全員で、お客様が「何という言葉で口コミをしているか?」をイメージしました。
みんな、「こんな風に言ってもらえたら良いな〜」と感じたと思います。
これが4つの要件の中の「意義」に当たります。
次に、そんな口コミが生まれるような満足をつくり出すために必要な要件を考えました。
「やっぱ、店内が清潔じゃなきゃな」
「気の利いた接客をしなくちゃ」
現場スタッフでできる事は、清掃と接客だということになりました。
次に、「清潔とはどういう状態か?」「気の利いた接客とはどういうものか?」…出来栄えを具体的にします。
テーブルにベタつきがない。部屋の隅っこに埃が溜まっていない。お客様がキョロキョロしていたら、お客様の視界に入る位置に立つ。急に雨が降った場合に備え傘を用意し「傘はお持ちですか?」と声がけをする…
そんなアイデアが出ました。
4つの要件の中の、「自分で決める」「仲間と共に取り組む」です。
同時に、こんな風に仕事をすると…最後の要件、「楽しい」が実現します。
この時点では完璧なアイデアが出なくてもOKです。
その理由は、実際にやってみて、口コミが増えたかを自分たちで確認すれば良いからです。
もし増えたらならば、それは嬉しいと思います。
もし増えなかったとしても、改善するか新しいアイデアを出せばいい。
自分たちで考える→やってみる→改善する
この繰り返しで、蓋が取れ、そもそも持っている自発性が発揮されていきます。
徐々に徐々に…
リーダーは、最初から大きなことを求めず、小さなことからやってもらうのが良いと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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