優れたリーダーほど簡単な言葉を使うワケ

優れたリーダーは言葉の使い方が違うと感じています。
何が違うのかと言えば、どちらかというと幼稚な言葉が多いのです。
これは悪い意味ではありません。
ここで言う幼稚な言葉とは、柔らかく平易な言葉…「やまとことば」を指します。

例えば、感謝しますではなく、ありがとう。
謝罪いたしますではなく、ごめんなさい。
どちらが相手の心に届くは自明ですよね?

以前に国民的アイドルグループのメンバーが自宅近くの公園で酔っ払って裸になってしまい、警察のお世話になった事がありました。

その後の謝罪会見で彼は「ごめんなさい」と言いました。
普通、「大変申し訳なく、ここに謝罪をいたします」と言いますよね?
なので非常に違和感を覚えた一方で、心が動きました。
「まあ、人生、そういうこともあるさ」と応援する気持ちになったことを覚えています。

言葉は言霊と言いますが、リーダーが使う言葉は人と組織に大きな影響を与えると考えています。
これは脳の仕組みが関係します。

脳は3層構造になっています。
一番、外側は大脳新皮質と言って、言語、数字、論理などを司ります。
一番、内側には生命維持を司る脳幹があります。

そして、間(2層目)にある大脳辺縁系が、感情、快不快、意欲を司っています。
ここでモチベーションが発生するのです。
しかし、ここは言語を理解できません。
だから、どんなに立派な理屈をこねても人の心は動かず、行動の意欲は湧かないのです。

ところが社会的地位が高い人ほど難しい言葉を使う傾向が強いと感じています。
理性的で論理的、言葉もアカデミック風です。
テレビに出る有名社長が、「コロナが収束したら、皆んなでガーっと頑張ってバンバン仕事して業績をグワっと伸ばす」なんて言いそうにないですもんね 笑

僕の恥ずかしい事例を告白します。
僕は一応、大学卒です。
しかも、先代の急逝で社長になったのが大学卒業の3ヶ月後でした。
社長に就任して一番最初の全体会議で、僕はナメられちゃいけないと思い、立派な挨拶をしました。
経済の動向を知識人の言葉を引用して伝えたりと、、、無理したんですね 笑

しかし、スタッフは眠そうな顔で聞いていました。
(実際に寝ている人もいた)
つまらない校長講話のようでした…

優れたリーダーには情熱があります。
情熱を持って言葉を発すると、自然と平易な言葉、やまとことばが多くなると思います。

「このVUCAの時代を生き抜くためには、集合知により従来の思考枠に囚われないことが大切だと、この様に考える次第であります」

ではなく…

「これからは何がどうなるか分からない。だから、みんなでワイガヤしてぶっ飛んだ発想を出そう。オレはそう思うよ」

情熱を込めると自然とこうなると思うのです。

決して頭が良くは見えないが…笑

人は理屈では動かない。
心が第一義で、理屈は心を補足するために働く。

リーダーは情熱を込め、平易な言葉でコミュニケーションすることだと思います。

それでは今日も熱い1日をお過ごしください。

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