依存心が強い部下を自立させる時に、やっていはいけない事、やるべき事
手塩にかけると言いますが、かけすぎると甘くなることがあります。
リーダーは時として毅然とした態度でメンバーに接することが大切だと思います。
特に、依存するメンバーには。
依存に応えてしまうと、「依存すれば何とかしてくれる」と学習し依存が加速します。
赤ちゃんの断乳と同じで互いに辛さを伴いますが、いつかは超えなければならない山だと思うのです。
そうしないと組織は「訳のわからない問題」だからけになる危険性があります。
問題を乗り越えた先に成長があるなら良いが、厄介なだけの問題が生じることがあるのです。
今日の記事では、自立させないことで起きる問題と対策について考えます。
かまってちゃんにかまうと問題だらけの組織になる
人には関係欲求という強い本能があると言われています。
それが満たされないと死んでしまうなんて話を聞いたことがあります。
だから無視は最も残酷な仕打ちなのです。
関係とは何も優しいものとは限らず、相手にされないくらいなら辛く当たられても関係を持ちたいと思うほど欲求は強い。
組織になると関係欲求が原因の問題が起こりやすくなります。
例えば、ある教員に聞いた話を紹介します。
その教員は非常に熱心な方で、子どもたちから絶大な支持を得ています。
みんな、先生にかまって欲しいと思っています。
しかし、先生1人に対し子どもたちは30人もいます。
小学校の授業は1コマ45分ですので、1人あたりに使える時間は90秒しかありません。
しかし現実は問題を抱えている子にその時間が割かれますから、ほとんどの子はかまってもらません。
物理的に無理なのです。
金八先生のドラマでは大抵、金八先生と不良の物語で、その他の生徒は映るだけです 笑
すると、かまってもらえない子の中に関係を持ちたいがために問題行動を起こす人が出ると言います。
その問題には中身はありません。
とにかく、かまって欲しいゆえに作り出されたものです。
その時に先生がかまうと、当の子どもは「こうすればかまってもらえる」と学習し、次にも同じことをします
また、それを見た他の子が真似をします。
気づくと問題だらけのクラスになる。
先生の人望の厚さが災いするという悲しいことが起こるのです。
仲間同士の関係性を豊かにすることで解決する
そもそもの問題はリーダー1人が全員と深い関わりを持つことに物理的な限界があることです。
今、ほとんどのリーダー、マネージャーが自分の仕事を持っていますしね。
さらに、リーダーと個別のメンバーの関係が強化されると、メンバー同士の繋がりが希薄になります。
この弊害が大きいと考えています。
今の時代、リーダーにも正解が分からないことが多いです。
現場のことは現場の人間が最も詳しいのでリーダーの指示が的外れになることも多い。
現場の仲間同士で知恵を出し合い学び合うことが、早く賢い判断をする秘訣です。
だから変化が激しく正解が分からない今の時代に自律型組織のニーズが高まっているのだと考えます。
メンバー同士が協働をすると、自ずと自分の居場所ができます。
もし居場所がないと感じるメンバーがいても、それも集団の課題として自分たちで解決してもらいます。
例えば、あるチームで男性社員が居場所がないと感じていました。
その方は内向的な性格で積極的に発言するタイプではありません。
しかし、観察力が優れています。
例えば、会議で何か言いたそうな人がいると、仕草で気づくのです。
そして、「○○さんが意見がありそうですね」とボソッと言うのです。
これは集団が民主的であるために必要な「交通整理」という役割です。
僕がそのチームに研修でお邪魔した時に、集団の中に発生する14の役割をお伝えした時に、全員が何らかの役割を担っていることが分かりました。
花形に見える人もいれば裏方も要る…役者が揃った状態が「全員経営」です。
14の役割に関してはこの記事をご覧ください。
仲間同士の協働が生まれ、素晴らしいアイデアを出せるようになった。
メンバーが自立した。
メンバーが自分の存在価値を認識するようになった。
リーダーが自分の時間が増えた。
とても豊かな働き方だと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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