社内の人間関係が悪くなるのはリーダーのお膳立てが原因かもしれない
人間関係の悩みをリーダーが一手に引き受けることで起きる弊害
人が幸福を感じる大きな要件の1つに人間関係があります。
これは、逆に人間関係が悪いと大きなストレスを抱えることを意味します。
昔から退職の理由の上位に人間関係への疲れがランクインしていますし、心を病む原因の上位でもある。
今は創造性の時代ですが、健やかでワクワクした精神状態でないと創造性は発揮されません。
経営の一大事だと思います。
リーダーは社内の人間関係に気を遣うと思いますが、気の遣い方が間違っていると、良かれと思ってやったことが逆効果になることがあります。
その典型が、人間関係の悩みを一手に引き受けることです。
この事を、僕の知り合いの事例から考えたいと思います。
知り合いの相談は社内の人間関係ではありません。
マンションの住人同士の話しです。
知り合いが済むマンションには小さな子どもがいる部屋があり、ドタバタと走り回る音が響くことが多いそうです。
知り合いはそんなに気になっていないそうですが、住人の中には神経質な人もいます。
ある日、ポストを開けるとマンションの管理会社からの手紙が入っていました。
「お子さんの足音には気をつけましょう」という注意を促す手紙でした。
さて、それを見た知り合いは怖くなりました。
なぜなら、自分が管理会社に苦情を言ったと誤解されると思ったからです。
もしかしたら、足音の発生源の住人は「誰が管理会社に言ったんだ」と不快に思っているかもしれません。
当の本人だけでなくマンション中に疑心暗鬼が渦巻いていると言います。
明らかに管理会社の対応がまずかったと思います。
人間関係の向上を自分たちでできるチームを育てる
知り合いに起きた事を職場に当てはめると、こんな風になります。
ある社員が人間関係の相談を上司にしました。
「最近、Aさんが私を無視するんです…」
上司は困ります。
放っておくわけにもいきませんし、かといってAさんを注意するのも難しい。
相談に来た社員は「私が相談したことは内緒にして下さい」と言うからです。
すると、「それとなく」注意を促しますが、一番やりやすい方法はマンションの管理会社と同じやり方です。
みんなに「それとなく」注意を促すことです。
さて、どう対応するのが良いのでしょうか?
僕は、上司がお膳立てぜずにメンバー同志で解決できるチームづくりが重要だと考えます。
話をマンションに戻します。
ホワイト企業大賞の企画委員でご一緒させていただいている、自然経営研究会の武井浩三さんは、以前に、不動産のITシステムの開発会社の社長をされていました。
武井さんは、ただシステムを売るだけでなく、マンション住人のコミュニティ化の支援もされていました。
コミュニティ化の方法はシンプルで、時々BBQ大会などを開催するといったものです。
そこで人間関係ができると、管理会社に寄せられる騒音の苦情が減るそうです。
互いに顔見知りになることで共感が生まれ、少しばかりの音なら辛抱するからです。
で、慣れてしまえばどうってことないとなる。
また、直接、お隣さんにお願いをすることも増えると言います。
その際も「私、ちょっと神経質なもんで、ちょっとだけ足音を静かにしてもらっても良いですかね?」と言った頼み方になります。
そうお願いされると、相手も「そりゃ申し訳ない」と素直に受け止めてくれる可能性が高くなると思います。
人間関係に関しては…
□何でもリーダーに相談すると全員が疑心暗鬼に陥る危険性があることを皆んなで確認する
□自分たちで解決することを促す
□そのために人間関係の向上を図る
□どうしても仲間に言えない深刻な相談は個別に受ける
人間関係の向上は誰かに頼ったら実現しません。
向上意欲を持ったチームを育てることが大切だと考えます。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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