社員を守りたければ「守ることはできない」と知ること
会社を守りたければ会社を守る社員を増やすこと
現在の状況下にあり「雇用を守る」という問題はとてもヘビーだと思います。
理念や志があっても、お金が手配できなければどうにもなりません。
会社の存続を取るか雇用を取るか…もし前者を取る経営者がいても、誰も責めることはできないと思うのです。
潰れてしまえばどちらも吹き飛んでしまいます。
どこまで長期化するかにもよりますが、守れるとすれば、「守ることができない」と知ることだと思います。
禅問答みたいですが、そう思うのです。
「社員を守る」という考えは素晴らしいのですが、この時代にそれを社長1人でやることは難しいと思います。
何が正解か社長にも分からないからです。
社員を守ろうと1人で一生懸命に考えることには無理があるのです。
頑張れば頑張るほど、もしかしたら社員は社長に依存するかもしれません。
そうなったら守りたいものも守れなくなると思う。
もし、守りたければ「会社を守る」と願い行動する社員を増やすことだと考えています。
そうすれば叶う。
そして、それが実現したら、社長は「ウチは社員に守られている」と言うはずです。
社員を守りたければ、社員を大切に思うのであれば、会社を守る、会社を大切にする社員を育てることだと思うのです。
愛着は自分が参画した分だけ大きくなる
では、会社を守るという意識はどうすれば芽生えるのでしょうか?
それは昭和オジサンが好きな忠誠心とはまったく違うものだと思います。
忠誠心とは良くも悪くも配下に入り従う、そんなニュアンスがありますが、そんな関係ではないと思います。
あえて言えば「愛着」だと考えます。
主体性が高い社員さんは使う言葉が違います。
「社長のビジョン」「会社の方針」という言葉は使いません。
これらは主体性がない、他人事な言葉ですよね?
主体性がある人は「我々のビジョン、方針」と言います。
自分事になっているから出る言葉だと思うのです。
それは忠誠心とは違います。
どうして自分事になるかと言うと、決め事に参画しているからだ考えます。
人は意思決定に参画するほどに物事を自分事と捉えるようになります。
例えば、他人が決めたルールには従いませんが、自分が参画して作ったルールには従います。
会社のルールではなく、私たちのルールだから。
それが愛着です。
参画できると、自分たちにとって最高の会社を自分たちの手で創ることができます。
それは決して楽な世界じゃない。
でも会社が自分事になると、会社がピンチの時には何とかしたと思うはずです。
そうなると冒頭の「社員が会社を守る」という状態になると考えるのです。
「どうしたら良いですか?」ではなく「なんとかせねば」と言う。
そうなったら社長は心強いと思います。
社員が手下ではなくパートナーとなり誇りに思うようになる。
感謝の気持ちを持って接するようになる。
社員を大切にしたいなら、会社を大切にする社員を増やすこと。
忠誠心を求めても無駄。
手下ではなくパートナーと捉え様々なことに参画してもらうこと。
守るというのは優しい世界ではない。
厳しい世界だと思います。
社長は自分1人の力では何もできないことを知ることが大切だと思うのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。