社長の口癖を「オレの、私の」から「我々の、私たちの」に変えた時に起きる事
自分の能力を超えて会社を成長させる社長には「我々」の視点がある
社員が他人事になる原因は、経営者の自分事が原因かもしれません。
ここで言う「自分事」とは悪い意味です。
社長に所有意識が強く、会社を「オレの会社」と言い、社員さんを「オレの社員」と言う…
そんな環境では社員さんが会社を自分事と考えることは難しいと思います。
そんな社長の口癖は「オレの、私の」です。
すると社員さんも「オレの、私の」都合をぶつけるようになります。
意識も考え方も利害も相反した関係になってしまいます。
社長の自分事が社員の他人事を生む、そんな構図です。
一方で、自分事の社員さんが多い会社では、社長は「我々の、私たちの」という言葉を使います。
使う言葉の問題ではなく意識が違うのだと思います。
でも、「オレの、私の」発想になるのも無理はないと思います。
だって、全ての最終責任…法的、金銭的な責任は社長が負いますし、オーナー社長の場合、本当に所有権があるからです。
特に創業者は致し方ないと思います。
自分でお金を出して設立して、自分のやり方で会社を成長させてきたのだから。
しかし、自分の能力を超えて会社を成長させる社長には「我々」の視点があると思います。
「自分は社長という1つの役割を受け持っている」…そんな考え方の人が多い。
自分を全体の支配者ではなく、全体の一部として位置づけている。
この発想が進むと集団を独立した1つの生命体のように捉えるようになる傾向があると感じています。
この組織観に立つと、その組織特有の物語が始まる、そう考えています。
会社が1つの生命体となり持続的、自律的に成長する
これは作家の思考に似ていると思います。
以前に、友人の作家が僕にこんな話をしてくれました。
物語は最初から細かくは作らない。大まかな方向性だけを決める。登場人物が、あたかも実在するようなリアリティを持つと、彼らが勝手に物語を紡いでくれる。
すごい世界ですよね。
このことを経営で言うと、組織が1つの生命体になった時に、物語が始まるということだと思います。
生命体としての哲学、思想、能力など固有の特性がある。
それらが世の中にどのように役立つのか?
そんな客観的な視点を持つことができる可能性があるのです。
組織が人格を持つと真のミッションに出会える可能性が生まれる。
これは「オレの、私の」発想では難しいと思います。
発想軸が社長の主観になるからです。
僕は23年間、新聞販売店を経営してきました。
元々、3代目という事もあり所有意識はそんなに強くはありませんでした。
さらに僕の独断で始めた新規事業が大失敗、その時、会社の未来を示すことができませんでした。
僕は自分の役割を「リーダーに依存せず持続可能な経営ができる組織をつくるための環境設定を行う者」と割り切りました。
新規事業の失敗から18年後に、全国15000社ある新聞販売店の中でオンリーワンの業態を実現しました。
僕が感じていることは、当社という人格が紡ぎ出した物語の産物であるということです。
とても不思議な感覚ですが、企業が最適な形を維持し続けるためには重要な視点だと思うのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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