派閥は挑戦しない組織だから発生する
共創しないと解決できない大きな課題に直面すれば派閥は消える
時代は共創を求めるようになりました。
以前は社内の競争原理により、一部の優秀な社員が全体を引っ張りました。
それが可能だったのは、時代が成長期だったからだと考えています。
成長期は行動量が成果に繋がる時代、競争を仕掛けることで皆んなの行動量をコントロールできたわけです。
しかし、今は成熟期。
生活者の欲求が高度かつ抽象的になり、何が正解か分からなくなりました。
本格的に知恵の経営が求められるようになったわけです。
知恵を生み出す最も有力な方法は、集合知…三人寄れば文殊の知恵だと思います。
リーダーにも正解が分からない時代において持続的に知恵を出すことができるからです。
時代は競争から共創に移り変わった。
本当にそう思っています。
さて、ここで本日の記事のタイトル「派閥は暇な会社、挑戦しない組織で発生する」を考えたいと思います。
競争と共創に関しては昔から研究がなされていて、どうすれば両者が起きるかが分かっています。
1942年にドイチェという学者が「競争と協同」という論文で次のように述べています。
競争は一部の人だけが達成できる目標を設定すると必然的に起こる。
共創は全員で力を合わせないと達成できない目標を持つと起こる。
このことが示唆する可能性は、派閥が起きるのは、派閥ごときがあっても日々の仕事が出来てしまっているという事実です。
共創が起きない原因は、実は社員にあるのではなく目標設定にあるということです。
共創しないと解決できない大きな課題に直面すれば派閥などというつまらないしがらみはなくなるのです。
全員で力を合わせないと達成できない、皆んなが達成を望む目標を持つ
僕はこの事をリアルに体験しました。
僕が新聞店を継いだのは1995年の夏でした。その年はWindows95が発売されインターネット時代の幕開け元年でした。
同時に紙媒体の衰退が始まった年でもあります。
年々、購読者が減り業績が悪化していきました。
しかし、当時は「まだ頑張れば回復する」と信じていました。
今となれば間違った判断でしたが、その渦中にいるとそうとしか思えませんでした。
時代の変化を先取りするのって難しいんですよね…
それからずっと業績低迷はもちろんのこと、組織も沈滞していました。
僕は再び、判断ミスをしました。
社員教育に力を入れたのです。
しかし、全く効果はなし。
そんな時に、ある書籍に「商売が好調だと組織は元気になる」という言葉を目にしました。
それを短絡的に受け取った僕は、当時、流行り始めた通販事業を独断の判断で立ち上げました。
しかし、それは僕のひとり相撲です。
結局、大きな損失を出し通販事業は畳むことになりました。
ここまで失敗すると、逆に上手くいく要件が見えてきます。
僕が学んだことは、全員で力を合わせないと達成できない目標だけではダメということ。
「皆んなが達成を望む目標」じゃなきゃ共創は起きないということでした。
当然といえば当然のことですが、当然過ぎてあまり考えない事だと思います。
「人は参画した分だけ物事を自分事にする」…この原則に則るならば、できるだけ早い段階でスタッフに参画してもらう事が必要だったわけです。
通販事業を思いついた段階で、スタッフと通販をやる意味・意義を対話することだった。
新規事業に挑戦しないと明日はないこと。
メリットとリスクを話し合うことです。
そして自分事になった時に、自ずと全員で力を合わせないと達成できない全体目標が設定され共創が生まれたと思います。
その後、立ち上げた地域づくり事業はこの要件が満たされていたので、何もしなくても自分事になり共創が起こりました。
部門の壁はまったくありませんでした。
今、多くのビジネスが賞味期限切れを起こしています。
全員で力を合わせないと達成できない、皆んなが達成を望む目標。
これが組織に生命を注ぎ込むのだと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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