成果よりも人間関係を重視する部下が組織の活性化に貢献すること
社内に顔が広い人がいると思います。
そういう人って、マメに仲間に声がけしたり情報交換をしていると思います。
宴会では色んな人にお酌したり休憩時間もよく喋ります。
もしかすると仕事の成果よりも人間関係の充実を優先する傾向があるかも知れません。
しかし、彼ら彼女らの役割は非常に大きいと考えています。
例えバリバリと仕事をこなすタイプじゃなくても。
その理由は、顔が広いがゆえに組織に与える影響が強いからです。
組織にムーブメントを起こす起爆剤になる可能性があるのです。
今日の記事では顔が広い人が組織発展にどう貢献するか、その可能性を考えます。
「みんながやっている」と言う「みんな」は実は3割くらい
彼らが果たす役割の前に、集団内にムーブメントが起きる仕組みについて確認したいと思います。
ムーブメントとは集団がある方向に向う波のようなものだと思います。
昔、たまごっちが流行ったのもスマホが普及したのもムーブメントで、一度波に乗ると凄いことが起こります。
ムーブメントには特有のプロセスがあると言われています。
最初に、新しもの好きで好奇心旺盛な少数派が動きます。
ムーブメントの種みたいな人種です。
ちょと変わり者なので、あまり人との交流をしないタイプかもしれません。
ムーブメントは多数派に伝播した時に起こります。
多数派が動く理由、動機は「みんながやっているから」です。
スマホで言えば、iPhoneが発売されて新しもの好きが使い出し、彼らに「それどう?不具合ない?」と聞き、安全が確認され、さらに皆んなが使いだしてから買います。
さて、ここで重要なことは「みんながやっている」の皆んなとはどのくらいの人なのか?ということ。
実はここに面白いカラクリが隠されています。
「みんな」とは言葉の意味からすれば100%ですが、実は20%〜30%なのです。
例えば、ウチの息子が小学生の時に任天堂のDSが欲しいと言い出しました。
その時の言い草が「みんな持っている」です。
僕は聞きました。「全員でクラス30人、全員なの?」と。
当然、違います。
聞いてみると、いつも一緒に遊んでいる6人のうち2人なのです。
33%で「みんな」と認識する原因は、その2人が見せびらかすからです。
所有者2人との接触が多くなりますよね?
すると「みんな持っている」という認識が出来上がるのです。
顔が広い人に伝染すると「みんな」という認識が出来上がる
社内にいる顔が広い人はこのような役割を担います。
彼らは仲間との接触頻度が高いので、彼らがやっている事を周りは「みんながやっている」と認識します。
逆に、怖い面があります。
彼らが「リーダーはダメだ」と言いふらすと、あっという間にダメリーダーが誕生します。
怖いですね。
では、どうすればムーブメントに火を付けることができるでしょうか?
それは顔が広い人の性質にヒントがあります。
彼らは人一倍、関係性を重視します。
関係性とは心が通った状態を指します。
だからリーダーには心を通わせるコミュニケーションが求められると考えるのです。
具体的には、イノベーターの行動を心から感謝して、具体的な態度で示すことです。
決して上から目線の評価ではありません。
「ありがとう。嬉しい。凄いね」そんな気持ちを表現します。
すると、顔が広い人が同じような行動を始めます。
(絶対とは言えませんが、確率が高い)
こうして彼らがインフルエンサーとなりムーブメントに発展します。
リーダーはつい、やらない人に目が行きイライラしてしまいます。
リーダーのイライラは集団に伝染します。
目を向けるべきはやっている人です。
日本書紀に「天照大神」が岩戸に閉じこもってしまった話があります。
どうやっても出てこない。
そこで出たアイデアが、皆んなで楽しく踊るという作戦です。
外から聞こえる楽しそうな声が気になって、ついに岩戸を開けてしまった、という話です。
顔が広い人の中には仕事の成果よりも人間関係を重視する人がいます。
リーダーからすれば「仕事もしないで何をくっちゃべっているんだ?」と思うかも知れませんが、彼ら彼女らは非常に重要な存在なのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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