社内に勝ち組と負け組をつくる組織は衰退する

おはようございます。

勝ち組、負け組という言葉が流行ったのは今から15年ほど前でした。
あの言葉には煽られたな〜
「勝ち組になるために」なんて本を買っちゃったもん。
今では馬鹿みたいって思うけどね(笑)

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さて、今日は、もし、あなたが「勝ち組 負け組」なんて言って社員を煽って動かそうとしているなら、それは相当にヤバいという話です。
競争を煽って社員を動かそうとすると組織全体のパフォーマンスがものすごく落ちる。
全員が成長できる組織、ダメな人材がいないくなる組織、富を増やせる新時代のマネジメントについて書きます。

参考事例は、すごい指示ゼロリーダー、勝矢和美さんです。

みんなの得意分野を活かし学び合う組織

勝矢和美さんが指示ゼロ経営の本質を突いたブログ記事を書いてくれました。
簡単に読めるので、まずは読んでね。
http://ameblo.jp/famisuma/entry-12010667474.html

この「和ミー」という会議に関しては、先日僕のブログで紹介しましたが、今回着目したいのは、記事内に出てくるこの文言。

スタッフそれぞれ得意分野が違います。それぞれ自分の得意分野はしっかり守って不得意分野は得意な人にお願いすることが暗黙の了解

これ、自律型組織の本質を解っていないと出ない言葉です。

私たち経営者は「デキる社員」が好きですし、みんなにそう成長して欲しいと願いますよね?
これが昔の発想なのです。

2:6:2の法則ってありますよね?
全体の2割がデキる社員、6割が普通、2割がダメ社員って構成になっていて、例えば、下の2割を切っても、残った社員からダメ2割が生まれるという、経験則から得た知恵です。

これをどう運用するか?
以前は、社員にデキる2割を目指し競争させた。そうすることで全体の底上げを狙ったわけですが、それが上手くいかない。
下の2割は常に存在し、ダメ社員のレッテルを貼られてヤル気をなくしてしまうし、6割は上2割に依存するからです。
勝ち組になることを目指す組織には学び合いがないから、組織全体の成長には限界があるし、故に生み出す富も少ない。
取り合いをしているうちに、全体のパイが減ってしまうのです。

だから、パイを増やす、創造が行える組織形態が求められるのです。

集団が賢く、自律的になる2つの要件

自律型組織の場合、組織を1つの生命体として見ます。
2も6も2もひっくるめて1つとして見る。

その生命体が、1つの目的に向かって成長しながら自律的に進んでいくと見るわけです。
人体で例えると分かりやすいのですが、足が悪くても「切っちゃえ!」とはならない。
補いあって上手く生きていきます。
つまり、「2:6:2はあるけど、みんなで成功しようじゃん!」と考えます。

ここで自律型組織の大原則を確認します。
1、集団はミッションがあれば、指示・命令をされなくても賢い判断ができる。
2、切り捨てない。全員で成長し成功すると決意すると、自律的に学び合う。

勝矢さんのチームはこれが揃っている。
1をするためにミッションをつくり、「和ミー」を行う。リーダーは指示・命令をせずに、「ズレてない?」と課題だけを出す。そして社員が主体的に考え行動する。
そして、2がないと、勝矢さんの社員さんのように「不得意分野は得意な人にお願いする」ということができなくなります。
勝つことだけ考えている人は、困っている人を助けないのですが、勝たなきゃ負けるという構造の中で生きていたら致し方ないと思います。
でも、それだとパイは増えない。

そして、不得意な分野に関して、人に「助けて」と言える人は、相当に生きるチカラがある人なのです。
頑張ってデキる人になるのは前時代の発想、デキる人に助けてもらうというのは新時代の発想です。

上位2割になることを目指すのではなく、出来ない人は出来る人に頼ったり、教えてもらったりしながら成長する。
教えた人は、役に立てたという満足感、有能感、そして会社繁栄への貢献感が満たされます。
こうして組織力の底上げがなされ、パイが増える。
それを自然にやるのが自律型組織です。

2:6:2というのは絶対的なものではなく、ある分野に関しては上の2、でも違う分野では下の2だったりします。
社長の価値観で決めたら、2:6:2は固定化されてしまいます。

それを自律的に制御する力がミッションを持った集団にはあるのです。

こうなると組織全体で生み出す富は増えます。
創造性の時代を生きる、新しい集団のメカニズムです。

それにしても勝矢和美さん、恐るべし!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。