管理100→管理ゼロの会社に変わる時に起きる諸問題とその対策

大変とは「大きく変わる」と書きますが、事が変わる時は大変な思いをするものだと思います。
大変なことが起きると事が悪い方向に向かっていると思ってしまいますが、実は好転反応だと考えています。

時々、指示ゼロ経営を導入した社長から相談を受けます。
「社内が混乱した」
「成果が出なくなった」
「社員が辞めてしまった」

「本当に大丈夫か?」と思ってしまいますが、これらは好転反応です。

今日は、管理100の会社が管理ゼロを目指す過程で起きる問題の1つ、社内が混乱した時の対応について書きます。

指示ゼロになると一旦、混乱状態を経過する

指示ゼロ経営の特徴は「自分たちで秩序をつくり維持する」ことにあります。
管理100の組織ではリーダーが秩序をつくりますが、指示ゼロでは自律的につくり上げます。
管理の糸が切れれば、一時的に混乱状態に陥るのは自然なことです。

例えば会議です。
これまではリーダーが決めたことを通達する場だったものが、自分たちで決める場になります。
当然、一時的に混乱します。

混乱にも2種類あります。

1、誰も喋らない、動かない

任せたは良いが、誰も動かない事があります。
これも一種の混乱です。
しかし、ここでリーダーがまとめてしまうと部下たちは「なんだかんだ言ってリーダーが動いてくれる」と学習し依存します。
待つことが大切。
待つと、大抵の場合、誰か(イノベーター)が動きます。
リーダーは「良し!」と思うかもしれませんが、ここからが勝負です。
多くの場合、まわりがイノベーターに依存してしまうのです。
イノベーターは1人で抱え込んで大変な思いをします。

傍観は誰1人得をしない態度なのだから、全員の課題です。

もしそうなったら、それがチームの今の課題ですので、それについて話し合ってもらうことです。
□このままではリーダーが潰れてしまう
□まわりが思考停止すると三人寄れば文殊の知恵が生まれない
□みんなが主体的に動かないとスピードが遅くなる…
「さて、どうすれば良い?」と。

2、みんなが好き勝手言い出し混乱する

こんなケースもあります。
みんなが好き勝手に発言しまとまらない状態です。
まさに動物園状態(笑)

組織が独裁者の支配下に置かれている状態、あるいは皆んなが皆んなの顔色を伺う村社会の場合、活発な発言が起きません。
先程の「1、誰も喋らない、動かない」の状態は村社会になっている時に起きます。

これに比べ、自由に発言できるから混乱するわけで非常に可能性がある状態だと考えます。

無理して混乱を収めようとすると村社会になってしまいます。
とことん混乱を楽しむことが大切だと思います。

リーダーの役割は、「皆んな、会社を良くしようと思って発言している」というメッセージを投げることです。

衝突を繰り返すと感情的になってしまいます。
それを制御する方法の1つが「みんな同志・仲間である」という認識です。
慣れるまではリーダーがそのメッセージを発信することが良いと思います。

混乱が起きた時にはリーダーの鈍感力が物を言う

混乱はストレスです。
多くの場合、混乱状態になると部下の中に「なんでこんな事までしなきゃいけないの?」と言う人が出ます。
「まとめるのがリーダーの役割でしょ」と。

その言い分は正しい…管理型の組織では。

自律型組織のメリットは、いちいち指示命令されなくても、現場が必要な時にサッと集まり、知恵を出し、スピーディーに行動することにあります。
リーダーの発想の限界、管理の限界を超えた発想が生まれることにあります。
なので現場が自律型に秩序をつくり出すことが求められます。

部下から「それはリーダーの仕事でしょ?」と言われた時に、「それをやって欲しいのだ」といえる、ある意味での図々しさが求められると思います。

その上で、「できる力が皆んなにはある」と信頼することだと。

さて、今日は管理をなくしたことで混乱に陥るケースの対応について考えました。
次回(いつになるか分からないが)は、社員が辞めてしまったというヘビーな問題について書きたいと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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