部署間に立ちはだかる壁はどうすれば崩れるのか?
部署の壁…ある程度、規模が大きくなると直面する課題だと思います。
例えば、製造部と営業部の間にエベレストのような壁が隔たっている会社もあります。
製造部:こんなに良い製品を作ったのに売れないのは営業がだらしないからだ。
営業部:こんなに頑張っているのに、売れないのは良い製品を作らないからだ。
他にも事務方と現場でこのような関係になっている組織も見てきました。
そもそも、みんな会社を良くしようと頑張っているのに共創・協働が起きないのは何故なのでしょうか?
どうすれば力を合わせることができるのでしょうか?
たった1つのパーテーションが不和の原因になる
共創が起きない原因は、取りも直さず「壁」の存在だと思います。
壁とは物理的なものもありますし、目に見えない壁もある。
物理的な壁でいうと、僕が社長を務めた会社で20年ほど前に社屋を新築しました。
それまでは狭いフロアに色んな部署がギュウギュウ詰めになって仕事をしていた。
窮屈なので広い土地を買い現代風の事務所、いやオフィスを作りました。
事務機器屋さんにお願いしてオシャレなパーテーションを購入、部署の間に設置しました。
もうお分かりですよね?
いきなり部署間の衝突が始まりました。
これ、バカにできない事実だと考えています。
たった1つの小さなパーテーションが「こちらの世界とあちらの世界」を作ってしまったのです。
パーテーションがなくても目に見えない壁ができます。
それは「一緒にたくらむ」ことをしない場合に起こると考えています。
良くすべきは「会社全体」ですので、そのための作戦はみんなが参画した方が良い。
ところが作戦は経営陣が行い、それを各部署に落とすものだから、自分の部署ににしか意識が行きず、目に見えない壁ができてしまうのです。
ちなみに僕が社長を務めた会社では、パーテーションを廃止し、各部署の代表者(数名)が参画して会社全体のたくらみをするように改善しました。
すると、これまでが嘘のように共創ができるようになったのです。
世界を繋ぐスモールワールド・ネットワーク
各部署の代表が出てきて、みんなでたくらんでも、代表者以外は他人事になりやすいのも事実です。
また、日々の仕事は各部署で行いますので、気づけば「こちらの世界とあちらの世界」が復活してしまいます。
そこで世界を繋ぐことが必要になります。
具体的には代表者会議で話し合ったことを各部署に持ち帰りメンバーに伝えます。
メンバーからは気付いたことや、意見、提案などをもらいます。
それを代表者会議にフィードバックします。
さらに代表者会議を通さずとも、部署間を行き来して情報を交換、共有します。
これが世界を繋ぐということ。
メンバーから提案や意見が出た場合は代表者でなくても代表者会議に参画してもらいます。
誰でも参加できるという環境設定が必要だと考えます。
よく「大きな組織でも指示ゼロ経営はできるのか?」と聞かれる事がありますが、できます。
その理由は、1000人の会社でも、でかい体育館みたいな部屋で1000人が一斉に働いているわけではありません。
必ず10人〜20人ほどのユニットになっているはずです。
しかし、それが部署の壁の原因にもあるので、ユニットを繋ぐ仕組みが必要になるというわけです。
まとめ
□部署間の壁には見えるものと、目に見えないものがある
□経営陣が考え各部署に下ろすと簡単に壁ができてしまう
□各部署から代表者、数名が経営会議に参画する
□会議の内容を各部署に伝え、フィードバックをもらい経営会議に提案する
このスタイルは、既存の組織形態を維持しながら「指示ゼロ的」に進める時にやりやすいと思います。
参考にしていただければ幸いです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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