社長の思いを伝えることよりも社員さんの思いを聞く方が重要
社長の役割は、自分の思いを伝え、皆んなと対話し、共有化すること
社長が一生懸命つくった経営理念や方法論が社員さんに伝わっていない、理解されていない、そんなことって結構あると思います。
僕の友人は経営計画発表会の翌日に、社員さんが今期のスローガンすら忘れていたと悲しんでいました。
僕にも経験があります。
僕が思いを熱く語って、その場では社員さんは共感してくれるのですが、終わると「さ、仕事に戻ろう」「明日の休日は何しようか?」なんてことを経験しました。
僕の話を、どこか映画でも観るような感じで聞いていたのだと思います。
指示ゼロ経営を始めた頃、18年前の事です。
とても孤独を感じました。
その当時、僕は大きな勘違いをしていました。
社長の役割は熱く崇高なミッションを掲げ、社員を惹きつけることだと。
でも、そうじゃないんですよね?
僕は、大切なプロセスを飛ばしていたのです。
一方的に社員に伝えただけで対話をしていない…社員の話を聴くという重要なことを忘れていたのです。
社長の役割は、自分の思いを伝え、皆んなと対話し、共有化することでした。
よく「浸透」という言葉を使いますよね?
浸透は外部からの影響で起こる現象です。
共有は、内部の変化で起きます。
思いを伝えたら、ジックリと対話をして社員さんの思いを聴き、そこから共感という熟成を起こすことが大切なのだと思います。
自分の力でなんとかするのではなく、チームの中に場を創り出すことが大切なのだと痛感したのです。
対話があるのとないとでは、その先がこんなに変わってくる
対話をして熟成させた場合と、そうでない場合の違いは、その後大きな違いに発展します。
まさに天国と地獄、そんな差がつくこともあります。
社長が一生懸命に考え熱く伝えたのに、社員さんが無関心な様子を見た時に、その原因を社員さんの側に置いてしまうことが多いと思います。
「意識が低い」と。
社長の中にこの認識が出来上がると、社員に信頼して任せることは難しくなります。
で、任せられずに社長が1人で頑張るようになる。
社長が頑張る動機は「他に頼れるヤツがいないから」という義務感です。
義務感で動いている人は、まわりの人に良い影響は与えられません。
まわりの人は、その人に依存するようになります。
こうなると社長は、より自分が頑張らないとダメだと感じるようになります。
共依存の悪循環です。
これ、僕の体験です。
対話による熟成には時間がかかりますが、しっかりやると社員さんは自分事になるので、その後の行動が自発的になります。
すると、社長は安心して任せられるようになるので、社員さんは仕事を通じどんどんと成長していきます。
好循環ですよね。
社長は自由な時間ができ、色んな人に会ったり新しい飯の種を探す旅に出ることもできる。
対話のプロセスは発酵のようなものだと思います。
先日、カミさんが恒例の野沢菜漬けを漬けました。
1ヶ月以上漬け込んで発酵した野沢菜漬けは旨味が濃く本当に美味しいです。
一方、浅漬は手っ取り早いのですが旨味は薄い。
経営が目指すべきは発酵である、野沢菜漬けを見ながらそんなことを考えたのでした。
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