ヒットまでに時間がかかる商品と、すぐにヒットする商品、どっちが良いか?

すぐにヒットする商品・サービスは、他者が簡単にマネができてしまう

ヒットまでに時間がかかる商品・サービスと、すぐにヒットするものだったらどちらが好きでしょうか?
成果はできるだけ早く出したいのが人情というもの。

でも、敢えて時間がかかるものを選ぶという選択肢が良いと考えています。
もっと言えば、それができるために長期視点を持つことだと。

経営はスキーに似ていると思います。
やった事がある方は分かると思いますが、スキーって足元ばかり見ていると上手く滑れません。
目先のコブに気を取られていたら次のコブでコケてしまいます。
上級者は20〜30メートルを観て滑ります。

目の前のコブに対処する連続、そんな経営はすぐにコケてしまうと思う。

件の商品開発もそう。
すぐにヒットする商品は、売れた後に、すぐに別の対応に迫られる可能性が高い。

「別の対応」とはライバル対策です。

この件に関して、先日、お邪魔した企業が素晴らしかったです。
何が素晴らしいかって、他者がマネができない商売をしていることです。
具体的には企業秘密なので書けませんが、宿泊業を経営されていて、宿泊者を対象にホテル周辺の自然の案内をしています。

社長はこう言います。
「すぐにヒットする商品・サービスは、他者が簡単にマネができてしまう」

演歌歌手みたい、僕はそう思いました。
下積みが長い演歌歌手の方が永く活躍すると言われます。
それは長い時間をかけてオリジナルが醸成されるからだと思います。

同社のホテル周辺の自然案内のサービスは10年以上もかけて開発したそうです。
ガイドブックには載っていない、地元の人間も知らないマル秘スポットを探し当てたのだと思います。

自慢になってしまいますが、僕が指示ゼロ経営を始めたのは今から19年前です。
ティールもホラクラシーもなかった時です。
一通りの失敗もしましたし、大きな混乱も経験してきました。
だから、知識を知っているだけの人には負けない自信があります。
勝ち負けではないけどね…

ライフサイクルを意識し、今やるべきことを明確にする

事例のホテルは、「良い時に次の準備をする」という事を徹底しているのだと思います。
きっと自然案内を研究し始めた時には違うヒット商品があり、それが経営を支えていたのだと思います。

これ、口で言うは易く行うは難し、だと思います。
人は安定を求める生き物だからです。
安定期に入ったら、そこに居座りたいと思うのは当然だよね。
もしかしたら今の状態がずっと続くと勘違いしてしまう。

「その先」を観るのはよほどの意識が必要です。

その先、はモデルで示されています。
世界中で活用されている「ライフサイクル」です。
導入期→成長期→成熟期→衰退期

自然界の法則で、例えば総務省の資料によると携帯電話(ガラケー)の成長も同様です。

各段階でやることが変わってきます。
導入期は、とにかく商品価値を伝えイノベーターに使ってもらうことを心がけます。
成長期はお金をかけて活動量を増やす。
成熟期は効率化を進めながら、次の種まきをする。
衰退期は商品の寿命を伸ばしつつ、芽が出た商品の普及に尽力する。

こんな事は毎日は意識しなくても大丈夫ですが、定期的に観測することが大切だと思います。

僕にとっても大きな課題、ということで戒めのために記事にしたのでした。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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