社員に優しい会社を目指した挙げ句、社員から活きる力を奪う会社
ブラック企業という言葉が一般的して10年ほどが経ちます。
一方でホワイト企業という言葉も登場しました。
最近、学生さんと話をする機会がありましたが、やっぱり皆さんホワイト企業で働きたいと言います。
定義は定かではありませんが、ブラック企業は社員を大切にしない、こき使う。ホワイト企業は社員を大切にするというイメージが一般的かと思います。
では、社員を大切にする会社とはどういうものでしょうか?
今日の記事では、その本質に迫りたいと思います。
福利厚生が充実している会社が社員を大切にしている会社なのか?
ホワイト企業=社員を大切にする会社、これは間違いのない定義だと思います。
しかし、社員を大切にする、とはどういうことでしょうか?
ネットなどを見ると主に労働条件を指していることが多いと思います。
学生さんと話をした時には「福利厚生が良い」と答えた人が多かった。
これが一般的な傾向なのかと思い内閣府の調査を調べたらそうでした。
調査に「仕事を選択する際に重要視する観点」という項目があり、約85%の人が福利厚生を重要視すると答えていました。
学生さんの言葉は世相を反映していたのです。
でも、福利厚生の充実=社員を大切にしているという考え方には、僕は疑問を持っています。
これは家庭で考えると分かると思います。
福利厚生を家庭に当てはめると、より良い生活環境を整えるということになると思います。
それは良いことですが、親から「与える」のではく、将来的に「自分で手にできる」ことが大切だと思うのです。
老師の金言に「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」がありますが、そういうことです。
より良い生活環境を整えるのも、目的が将来の自立であることが重要だと考えるのです。
企業も同じだと考えます。
経営者と社員が親子のような関係であることは良いことだと思いますが、それが「親の庇護下で守られている」という構図が「優しい」と考えたら、それは不幸の始まりです。
自立できない人は常に誰かに依存して生きざるを得ない、それは人生のハンドルを自分で握っていない生き方だと思います。
一人前を育てる会社が社員を大切にしている会社だと思う
本当に社員を大切にする会社は「社員を一人前にする」という考え方があると思います。
僕だったら福利厚生よりもこっちを選びます。
それが真の愛情だと思うから。
もしかしたら、将来、会社が倒産するかもしれませんし、何かの事情で転職する可能性が高い地代です。
守られる存在から脱却することが大切ですし、それをした企業が繁栄するのだと思います。
では「一人前」はどうすれば育つのでしょうか?
それは取りも直さず「一人前として扱う」ことだと思います。
一人前の人間は、自分で決めることができます。
そして行動することができる。
行動したら、しっぱなしではなく、行動の効果を検証します。行動すると何らかの変化、成果が出ます。
それを次に活かすことができる人が一人前だと考えています。
これができている企業は社員を手足とは観ていません。
頭脳として、パートナーとして尊重しています。
それ故に、信頼して仕事を任せます。
一人前の考え方がある上で、より効果的な実践ができるように、各種教育制度があればより良しです。
その上で福利厚生が充実していたら最高ですね。
でも、全部が充実している会社なんてほとんどないと思います。
本当に社員を大切にするならば、少なくとも一人前として観ること、欲を言えば教育制度があることだと思います。
ともすれば経営者は「社員を守っている」という自己陶酔を持ってしまうものだと思います。
でも、それは真に社員を大切にしていることにはならないと思うのです。
昔から可愛い子には旅をさせよと言いますが、一人前を育てる企業が本当に社員を大切にしている会社だと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです。
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