「文句を言わずやるか」「文句を言わず辞めるか」
人生で一番、損なことは「文句を言いながら続ける」ことだと思います。
これは生産性うんぬんの話を超えて人生の豊かさに直結することだからです。
あの世に旅立つ時、人生を振り振り返る時に、文句ばかり言っている自分が浮かんできたら嫌ですよね?
「仕事を楽しむ」とよく言われますが、それは精神論だけでどうにかなる話ではないと思います。
楽しむには作法が要る。
今日のブログでは自分が、部下が仕事を愉しむために必要な要件を考えたいと思います。
なぜ、あの人はどんな仕事でも愉しむことができるのか?
僕の友人にアホがいます。(僕が言う「アホ」は最上級の称賛です、念のため)
名を中塚緑と言います。
彼女は僕と同じ長野県に住んでいました。
過去形で表現したのは、現在は東京在住だからです。
長野県内では有名な、ショベルカーなど重機のリースを主業務にしている会社に勤務していました。
在籍中に、社長の命を受け、BtoBからBtoCへ業態を広げました。
なんと一個人の顧客が同社でショベルカーの操作法を学び、自分の庭などを整備するためにレンタルするなんていう事をやってのけたのです。
男性が多い職場にあり、新しい取り組みに苦労しましたが、徐々に周りを巻き込んでいきました。
まさにイノベーターです。
目覚ましい活躍をした後に退職し、東京に単身乗り込み、今は企業の指導、アドバイスを生業にしています。
自分が進みたい方向に向かい躊躇なく第一歩を踏み出せる彼女を僕は尊敬しています。
この度、そんな彼女と一緒に仕事をする機会を得ました。
諏訪商工会議所主催「利益の組立図を作るゼミナール」
打ち合わせを重ねる中で、彼女がポロッと言ったひとことで、なぜ新しい世界に飛び込めるのかが分かりました。
「私はどんな仕事でも愉しむことができるから」
最初は「へ〜」くらいに聞き流しましたが、よく聞くと誰にでも応用ができる原則があることが分かりました。
それは「意図を持って」「自分で方法を考え」「結果を自分で確かめ」「また次に活かす」この一連です。
これができる人は、どんな仕事でも愉しむことができると考えるのです。
どんな仕事でも「愉しい化」ができる
「意図を持って」「自分で方法を考え」「結果を自分で確かめ」「また次に活かす」
これができる人は自ら仕事を開発できる「仕事の主」です。
逆に、意図は他人(上司)が持ち、他人が方法を考え、結果は他人が確かめる、この構図だと、本人は「やらされ」になります。
そこには愉しさはないし、それ故にモチベーションも創造性も発動しません。
愚痴も文句も出るでしょう。
仕事の主は、どんな職種でもなれると考えています。
新聞配達や掃除といった単純作業でも。
どんな仕事でも必ず、やっただけの変化があるし上達があるからです。
そして、全ての仕事は誰かにお役に立つ意義あるものだからです。
例えば、ソニーの黄金時代に厚木工場の工場長を務めた小林茂氏の著書「第三の組織論」にこんな話があります。
工場には掃除のおばちゃんがいます。
毎日が単調な作業の繰り返しだし、どちらかというと身分が低い職種と扱われます。
この状態だとモチベーションは相当に低くなります。
しかし、全ての仕事には意義があります。
工場、しかも精密機器が並ぶ工場にとって埃は大敵です。
それを知ってもらうために研究開発の現場を見てもらい、どの程度の清潔さが必要かを知ってもらいました。
こうなると身分が低い職種ではなくなります。
最高の製品をつくるために、研究開発員と同じくらい重要な役割と認識されます。
すると仕事の主になることができる。
「意図を持って」→どの程度の清潔さが必要かを定めて
「自分で方法を考え」→掃除方法をチームで考え
「結果を自分で確かめ」→埃の量を自分たちで確認し
「また次に活かす」→改良・改善を行う
この一連を自分たちの意思で行うのです。
埃がなくなる代わりに誇りが生まれます(笑)
この話で心を打たれたのは「身分の低い職種なんてない」ということです。
中塚さんが言った「どんな仕事でも愉しむことができる」とはこういうことなのだと思ったのです。
この件は、全てのリーダー、マネージャーが心得るべき事実だと考えます。
それは会社のためでもあり、そこで働く人の人生の意義に直結するからです。
同時に、働く人は自らの意思で「仕事の愉しい化」に取り組むことが求められるとい考えるのです。
「部下に主体性がない」「仕事が楽しくない」…リーダーも社員さんも文句を言っている場合じゃない。
今置かれている環境下で、仕事の主は生まれる、仕事の主になることができる、ほんの少しでもなれれば仕事と人生が有意義になると思うのです。
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