憧れの職ではなく妥協して入社した社員さんが、今の仕事を天職に変える

夢とは、その人だからできる事で、人に喜ばれるカタチのこと

夢を叶えた人ってどのくらいいるのでしょうか?
おそらくですが、そうでない人の方が多いのではと思います。
ここで言う夢とは職業です。
「プロ野球選手」「医師」「教員」「パティシエ」などです。

御社の社員さんは、今の職業が夢だったでしょうか?
企業によっては、社員さんの多くはそうではないかもしれません。
新聞店だってそうです。
僕は、夢新聞で8000人以上の夢を見てきましたが、新聞店になることを夢見る人は1人もいませんでした。

それが現実…でも、僕は、その人たちが夢破れた人、だとは思っていません。
例え妥協して今の仕事に就いたのだとしても。

そもそも夢新聞協会では夢=職業とは考えていません。
「その人だからできる事で、人に喜ばれるカタチ」と定義しています。

このように定義すると、この世から夢破れた人はいなくなります。
その「カタチ」は無数にあるからです。

例えば、以前に夢新聞ワークショップに、小学5年生の男の子が参加してくれました。
名を駿と言います。
駿は、果敢にも大人たちに交じって参加してくれたのです。
みんなが初対面だったので、オープニングに1人1人、自己紹介をしました。
駿の番が来ました…
が、マゾモゾしているだけで一向に喋りません。

みんなが「どうしたのかな?」と思った瞬間に、その理由が分かりました。
吃音(どもり)があり上手に喋れないのです。
駿は、それでも一生懸命に自己紹介をしました。

「僕には吃音の他に、5つの障がいがあります。みなさんにご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

僕がこれまで体験した自己紹介の中でも、最も心を打たれた自己紹介です。

僕は駿がどんな夢を描くのか、とても気になりました。

今の職業を夢の職業に変えることができる

夢新聞が完成し、最後に夢発表があります。
駿の番が来ました。
駿は、どもりながらも堂々とこう言いました。

「長野県の教育長になった」

その理由も言いました。

「僕には障がいがあることで弱い立場の人の気持ちが分かるし、彼らにも素晴らしい力があることを知っています。だから僕は、障がいがある人も、ない人も一緒に学べる学校をつくりたい。それが互いにとって良いことだと思います」

発表が終わった瞬間、1人の女性が拍手を始めると、まるで雷雨の始まりのように会場に広がり、怒涛の響きが会場を包みました。

僕はふと思いました。
「彼の夢は叶うのだろうか?」「教育長になれるのだろうか?」と。

すぐに余計な心配だと分かりました。
もしかしたら、駿は大人になるにつれ夢の職業は変わるかもしれません。
変わる可能性の方が高いと思います。

しかし、駿の実体験に基づく想いがあれば、それが軸になっていたら、職業という「カタチ」は教育長以外に、無数にあるはずです。
そして、どんな職に就いても駿は夢を叶えることができます。

人には、生まれながらにして、あるいは育つ過程で獲得した「傾向性」があります。
それは時として才能と呼ばれるものです。
才能と呼ばれる時は、傾向性が具体的な職業の中で発揮された時です。

経営者にも、働く社員さんにも、今の環境の中で傾向性が開花するカタチがあると思っています。

これは本人の努力がなかれば成し得ないことですが、社員を機械のように画一化する、没個性のマネジメントをしている会社では難しいと思います。

子どもの頃、憧れた職業には就けなかったが夢が実現した…
職業を通じ、そんな開花が起こったなら、どれだけ素晴らしいことかと思います。
組織も強くなるよね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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