採用活動を企業変革のチャンスにする2つの視点
求人広告は世間に発表する決意表明である
世の中に発信される数多くの求人広告を見ると、大きく2つのタイプに分かれます。
1つは、現在の事が書かれているもの。
もう1つは未来が書かれているもの。
どちらかです。
現在の事とは、今やっている仕事とその労働条件です。
必然的に労働条件に関心がある人が集まります。
一方、未来を書く企業には、その未来に関心がある人が集まります。
当然、ヤル気の高い人材が多い。
小さくて無名な会社であっても、ビジョンに共感する優秀な人材は来てくれます。
「求人には未来を書く」…これが指示ゼロ経営の採用術なのですが、実際にやってみると、とても大変だということが分かるんです。
それは「決意の表明」でもあるからです。
先日、「採用は人材育成よりも大切な、企業の未来を決める一大事」という記事を書きました。
組織の変革は、社員の一定割合…15%〜20%が賛同した時に一気に進みます。
パンデミックです。
自社のビジョンに共感する人が入った瞬間に、その臨界点を超え、一気に組織が変わることがよくあります。
これは僕も経験しました。
本当に「別の会社になったみたい」…そう感じましたからね。
共感者が閾値を超える…これが組織変革の最大の要因ですが、実は、最近、もっと大きな要因があることに気付いたのです。
それが「決意の表明」です。
未来は2つの視点で描く
指示ゼロ経営流の採用術では、求人広告に次の2つを盛り込みます。
1、会社の未来…目指す姿
2、入社した社員が得られる働き甲斐
これらを「目を閉じれば、未来のその日が再生される」リアリティ溢れる表現で伝えます。
例えば、僕が社長を務めた会社(新聞販売店)では、こんな伝え方をしていました。
新聞店は地域の人とネットワークを持っているので、人と人をつなげ化学反応を起こすような場を作り、様々な地域活動を行う地域づくりを行うことができます。
例えば、寄り合い会議をして、そこに農家の皆さんと商店主が来ていました。
ワイワイガヤガヤ、時にお酒を飲みながら、「自分たちがコラボすれば、地域の人に喜ばれることってできないだろうか?」と語り合います。
すると、商店主の中に弁当屋さんがいて、農家にこう言います。
「お宅で育った元気な野菜で、ヘルシーなメニューを作ったら面白そう」
そして、僕にはこう言います。
「それを、米澤くんの新聞店に仕入れてもらって、独居老人や共働きの家庭に宅配したら喜ばれると思う」
これは、当時、実現していない僕の妄想です。
「この妄想を一緒に実現してくれる仲間を募集している」…これを伝えるのが指示ゼロ経営の未来型求人です。
同時に、入社したら徹底的に基礎を身に付けてもらうが、一人前になったら、地域の人を繋ぎこれまでになかった価値を創り出す、そんな仕事を自分の個性や得意を生かしできると伝えます。
「自分オリジナルの仕事で人に喜ばれ『私ってイケてる!』と思える、そんな働き方ができる」
※ただし、それは楽ではない、とも伝えますが(笑)
これを求人広告に書くということは、世間に決意表明をすることと同じです。
「まだ、そうなっていない。でも、実現するんだ」
とても覚悟が要ることです。
だからこそ、社長自らに実現の意志が強く内在し、未来を引き寄せるのだと思います。
「覚悟+共感者が集う」
組織変革が採用活動を通じ起きるのには、こうした背景があるのだと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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