人は参画した分だけ物事を自分事と捉える。参画に欠かせない4つの要件

今日の記事は「どうすれば社員さんが会社を、仕事を、自分事と捉えるか?」について考えてみたいと思います。
と言うのも、これが指示ゼロ経営の基礎であり、多くの企業で完全にできていないからです。

自分事になった時には、やらされ感がなく「やりたい!」と自らの意思で様々な行動を起こします。
基本的に社長と同じ気持ちで仕事をしてくれます。
そうなったら心強いですよね?

人は自分が参画した分だけ物事を自分事にする

会社を、仕事を自分事にしない、他人事になっている原因は、取りも直さず「参画不足」にあります。
上から一方的に「今期からこれをやります」と言われても自分事にはならないよね?

では、何に参画してもらえば良いのでしょうか?
たくらみ屋の相棒、森本繁生は、これを非常にシンプルに考えています。

1、何を(現状)
2、何に(未来)
3、どの様に変えるのか?(方法)
4、なぜ変えたいのか?(理由)

大雑把な社長は、3の方法、「何をどのようにやるのか?」だけしか説明しません。
あ、僕がそうでしたが…(笑)
心当たりはりませんか?

伝える原則は「情報公開」と「参画」です。
まず1の「現状」は情報開示をしながらの話し合いが欠かせません。つまり決算書などの経営数字をオープンにすることです。
これを開示せずに「ヤバいんだよ、売上が落ちてるんだよ」と言ったところで聞く耳を持ってはくれませんよね…

2の「未来」に関しても、社長が一方的に伝えて「じゃあ、ヨロシク!」では自分事にはなりません。
伝えた後に、「みんなはどう思う?」と問いかけ対話することが大切。
ところが、ここに大問題があります。

それは、「◯◯をする必要性がある」という伝え方をすると前に進まない事があるのです。
つい言っちゃうでしょ?
これだと、聞いた人に「しょうがないからやらねば」というニュアンスを与えてしまいます。

未来を語るときは、「◯◯を創りたいんだ」と気持ちを伝えることが大切だと思うのです。

先日、研修を行ったある企業さんでは、社長がたどたどしくも想いを伝えました。
伝えた後に対話をしたのですが、最初のうちは「でも」が多かった。
「でも、現状では忙しくて…」「でも、それって難しいですよ」みたいな。

それでも社長は「それらの問題をクリアしてやりたい」と言う。
すると、混沌を経て、やがて前向きな意見が出ました。

ここが自分事への第一歩だと考えています。
社員さんが自分の言葉で未来を語り出す、この瞬間が自分事の始まりです。

一番大切なのは「なぜ」

1、何を(現状)
2、何に(未来)

この2つに社員さんが参画して自分事になれば、万事OK…と行きたいところですが、もう1つ重要な要件があります。
それは、描いた未来に「幸せな自分がいる」と予感できないと気持ちが前向きにならないのです。

件の社長は、「その未来を実現させて、皆さん1人1人が所得を増やすこと」「仕事にやり甲斐を感じ、充実した毎日を送ること」…これが一番大切なことだと思う、と語りました。
これが4の「なぜ変えたいのか?(理由)」です。

同時に、具体的な数値を提示し、未来に、社員さんの賃金がいくら増えるのか?を伝えました。

これが指示ゼロ経営の要諦「望みの統合」です。
社長の望みと社員さんの望みを統合させたのです。(統一ではないよ)

ここまで整うと、3の「どの様に変えるのか?(方法)」は社員さんが積極的に出してくれます。
具体的なアクションプランに社員さんが参画してくれると行動力が断然、高まります。
もしかしたらリーダーは「何もしない」ことが最善である場合すらあります。
「信頼して見守る」…これが一番最適な行動になる。

1、何を(現状)
2、何に(未来)
3、どの様に変えるのか?(方法)
4、なぜ変えたいのか?(理由)

これらに、いかに社員さんに参画してもらうか、これが会社を仕事を自分事と捉える基礎だと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!


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