たまには自律型組織のデメリットも考えてみた
昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、一方で「みんなで決めるとつまらないアイデアしか出ない」とも言われます。
いわゆる「合議の弊害」です。集団は時としてバカにもなります。
今日は、三人寄れば文殊の知恵か? たった1人の天才が決めるか?…それぞれのメリット、デメリットを考えたいと思います。
三人寄れば文殊の知恵のメリット
継続的に素晴らしいアイデアを出すことができる
今は何が正解か分からない時代だと言われています。
リーダーにも分からない事が多い。
さらに変化が激しいので現場のことは現場で知恵を出して解決するのがベストです。
課題を抱えた時に、サッと集まり知恵を出すことができれば課題を早く解決できますし、企業は安定的に成長することができると考えます。
実行力が上がる
人は自分が参画した分だけ物事を自分事とします。
他人が決めたことに従う状態だと変化を自分でつくり出すことができません。
すると、部下は上司が創り出した変化に振り回され「また社長が違うことを言い出した」と被害者意識に持つことが多くなります。
「やらされ」の状態では主体的に行動しませんので、どんなに良いアイデアでも実行力が落ち、絵に描いた餅で終わる危険性があります。
自律型組織では変化を自らつくり出すので、攻めの姿勢になります。
三人寄れば文殊の知恵のデメリット
馴れ合いになったら無難なアイデアしか出ない
集団がバカになるケースの1つに「村社会」があります。当たり障りのない、誰も反対しない意見しか出なくなり、ダイナミックな意思決定ができなくなります。
また、まだ十分に育っていないチームだと意思決定までに時間がかかることも多く見受けられます。
天才によるトップダウンのメリット
有事には強い
有事にはトップダウンが強いと思います。その理由は、有事には部下の心が弱くなります。危険な挑戦を迫られますので勇気がしぼんでしまうことも多い。
そんな時にリーダーが「大丈夫だ!私が責任を取るから、言う通りに従ってくれ」と言えば、相当に勇気が出ると思います。
天才的なリーダーの場合、企業が飛躍する
スティーブ・ジョブズ氏のような天才の意見は、多くの人が理解できません。
時代の数歩先を歩いている人はたまにいますが、それを受け入れるまでに集団が育っていないと天才は潰されてしまいます。
村社会的な組織で起こることだと思います。
天才によるトップダウンのデメリット
天才は永く続かない
今のように変化のスピードが早いと、どんなに優秀なリーダーでも正解を示し続けることは難しいと思います。
組織の実行力が落ちる危険性
三人寄れば文殊の知恵のメリットでも書きましたが、他人が決めたことを実行する場合、納得度が低くなる傾向があります。変化に振り回されストレスを抱え、組織から活力が奪われる危険性があります。
企業が成熟期に入ったら自律型組織に移行する
トップダウンは起業時や有事には強いですが、成熟期に入ると限界を露呈することが多いと感じています。
リーダーが「もう自分1人の力では限界」と感じた時は自律型組織への移行のタイミングかもしれません。
自律型組織が上手く行っている企業の多くが、リーダーが良い意味で負けを認めています。部下も頼られたら悪い気はしません。
ただ、自律型組織には「村社会」の危険性が潜んでいることを、全員が認識することが大切です。
安易な多数決はしない。混乱状態を避けない。
いつもイノベーションは少数派から生まれます。
少数派の意見が多数派によって殺されるようでは困りますよね。また、イノベーションは混沌から生まれることが多い。
少数派の意見を多数派が納得する、そんな侃々諤々の対話が求められると考えるのです。それは決して楽じゃないけど、とても愉しい世界だと、僕は思っています。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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