短所を克服している暇があれば、個々の長所を組み合わせた組織運営をせよ
能力にはムラがあって良い、あった方が良い
大学3年生の娘が、就活を控え「能力検査」なるものを受けて来ました。
その結果が娘の能力を素晴らしく捉えていて感心しました。
その一方で、疑問に感じる部分もあったのです。
それは、「能力が高い部分はさらに伸ばし、低い部分は頑張って克服しましょう」といったコメントがあったからです。
ありがちですよね?
僕は、能力にはムラがあって良い、あった方が良いと考えています。
その理由は、能力要件の全部を上げることなんて不可能だし、それをすると「平均的な人間」になってしまうと考えるからです。
個々には長短あり、ムラがあるのだが、チームのワークで個々の長所が組み合わさる、それが組織運営の実務だと考えるのです。
僕は、この事をパズルで例えています。
パズルのピースを個人に例えると、出っ張った部分(長所)と凹んだ部分(短所)があり、いびつな形をしていますよね。
でも、それらを組み合わせると、素晴らしい絵が描ける、そんなイメージです。
「チームのワークになった時に、個々の弱点がどうでも良くなる」
伸ばすところはとことん伸ばす。
短所は放っておく。
これが理想だと思うのです。
でも、家庭でも学校でも企業でも「短所は頑張って克服しましょう」って言いますよね?
勿体ない話だと思うのです。
全体最適を目指すなら個別の評価制度はやめる
僕は全員経営とは「全員が何らかの役を演じる経営」と定義しています。
その中には花形もいれば裏方もいる。木の役という地味な役割もある。
それらが全体として最適化された時に、人を魅了する舞台になる、そんなイメージです。
では、企業において、それを阻害する要因を考えたいと思います。
それが個別評価制度です。
賞与や昇給、昇進に活用される評価制度を採用している企業は多いと思います。
これが人材の平凡化を生む理由は、全員を同じモノサシで評価するからです。
同じ部署、同じ等級の社員なら同じ評価基準を用います。
そうしないと制度が成り立たないでしょ?
長所を伸ばし、短所を直す、そうして多くの評価項目で高得点を獲れば、豊かになれる、この仕組に無理があると思います。
短所を克服する暇があれば長所をもっと伸ばす方が、組織として強くなれます。
チームとして仕事をする際には、苦手な事は、それを得意とする人がやればいい、最高の絵が描ける最適な組み合わせをすれば良いと考えるのです。
それができると真の全員経営…全員が何らかの役を演じる経営です。
全員経営になった時には個別評価が意味を成さなくなります。
集団に対し、「今回の成果は誰の手柄ですか?」と問うても、大抵、「特定することができません」と答えるからです。
実際の舞台では監督なりプロデューサーが役者を探してきますが、指示ゼロ経営では立候補で決まります。
全員参加で何かをたくらむ際に、様々なアイデアが出ますが、多くの場合、アイデアを出した人が担当になるからです。
こうして全員経営、個々が持つ短所が事実上消え去る、素晴らしい集団になる。
まあ、こんな記事を書きましたが、娘に「短所は放っておけ」と言うと、「本当にそれで大丈夫なん?」と言われます。
大丈夫と断言できないのは、全員経営をやっている集団でしか通用しないからです。
だから、就職するならそういう会社に就職して欲しいと思ったのです。
今日の記事を読んで全員経営を実現した企業さん、是非、僕に教えて下さい(笑)
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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