採用は会社変革のチャンス!採用と新人の育成で組織全体を底上げする
採用を改善したら会社が急に良くなったという話しをよく聞きます。
僕が経営した新聞店でも同じことが起こりました。
なぜ、そんなことが起きるのか?
優秀な人材が入ったから?…それも要因の1つだと思いますが、もっと別の重要なことがあると考えています。
それは、その人が入ったことによる「集団への作用」です。
これが分かると、採用を単なる人材補充を超えた組織づくりに活用できますし、それをしない手はないと思っています。
組織開発を行う時、採用が重なると変革にチャンスになる
まずは集団が変わるメカニズムについて確認したいと思います。
集団が何かに取り組む際には、まずはイノベーターが動きます。変人、変態、アホな人種です。(念のため、すべて褒め言葉です)
イノベーターの後にアーリーアダプターと言われる人種が続きます。彼らも革新的なことが好きなタイプです。
かくして、彼らが動くと集団は起動します。
しかし、彼らの全体に占める割合はおよそ15%で、まだ全体への影響力はありません。
多数派は、彼らがやっていることの安全性、収益性など現実的な効果を確認してからじゃないと動きません。
また、彼らが動く動機には「みんながやっているか?」というものがあります。
みんながやっていれば安心・安全だと考えるのです。
「みんなが」は100%ではありません。
20%を超えると、「みんなが」と認識する人が出始めます。
その人たちが参画すると、その認識が濃くなり、より多くの人が関わるようになる…ムーブメントになるというわけです。
では、企業に目を向けてみましょう。
企業が何か革新的なことをする際、あるいは企業文化を変えようとする際、このメカニズムが働きます。
例えば、ここに先代の古い経営を変えようと決意した後継社長がいたとします。
社員数を分かりやすく10人とします。多くが先代が育てた古参社員です。
まずは1人で立ち上がりますが、すぐにイノベーターを巻き込む必要があります。
2人が味方に付けばムーブメントが起きる可能性があります。
しかし改革の場合、大きな壁が立ちはだかります。
それは、変える=事実上「過去の否定」ですので、古参の中から反対勢力が出る可能性が相当にあります。
その古参は「従来を変えない」というムーブメントを起こすイノベーターになるのです。
周りはどちらに付くか? 選択に迷います。
そうなると2人しか味方がいずに、そこから拡大しない、じれったいこう着が続きます。
しかし、ここが正念場です。
共感者を集める。既存社員に採用に関わってもらう
この後継社長は、ここで自分の信念を曲げてはいけません。2人を3人、4人、5人と増やしていかなければなりません。
信念が強いほど、それに賛同できず退職する社員が出るケースが多いと思います。
よくある話ですよね?
あるいは、こう着が長く続き、定年退職を迎える社員が出る場合もあると思います。
ここで採用が変革のチャンスとなるわけです。
社長の想いに賛同する人を入れたらなら、1人、ムーブメントへの賛同者が増えることになります。
たった1人と思うかもしれませんが、ムーブメントは賛同者の割合なので、たった1人が臨界点を超えるキッカケになる可能性があるのです。
だから採用を変えたら会社が急に良くなったという現象が起きるのです。
採用をチャンスを活かす方法は次の2ステップです。
求人広告には想いや会社が目指すビジョンを書く
人材が欲しくて困っている時ほど、相手に媚びてしまい高待遇などの労働条件を全面に出したくなりますが、それをすると、狙いとは逆の現象が起きる危険性があります。
それに関してはこの記事を参考にして下さい。
「人手不足解消のために打つべき手、打ってはいけない手」
入社してから想いを伝えても手遅れかもしれません。
入る前に伝え、それにやり甲斐を感じる人材を集めることが大切だと考えます。
採用は社長、人事だけで決めずに現場に参画してもらう
採用すれば、すべて問題解決とはいきません。
「現状を変えたくない」という社員がいると、せっかくの新入社員がそちらに巻き込まれる可能性があります。
それを防ぐには、古参社員に採用に関わってもらうことが有効です。
採用を、古参との対話の機会にして味方になってもらうのです。
「今、私はこういう事を考えているのだが、それに影響力のあるあなたに力になって欲しい」
古参が反対勢力にまわるのは、新しい取り組みをする=過去を否定される=自分が必要とされなくなる、という構図をつくり恐れるからです。
だから、そうではなく力になって欲しいと伝えることで味方になってくれる可能性があります。
味方になってくれたら強いですよね。
この様に仕掛ければ、採用は組織に底上げの絶好のチャンスになります。
これを活かさない手はないですよね?
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