人手不足解消のために打つべき手、打ってはいけない手

中小企業を中心に人手不足が続いています。
先日、とある業界団体で講演をさせていただきました。斜陽産業なのですが、収益の減少よりも人手不足の方が深刻という会社もありました。
また、労働人口の減少は今後とも減少しますので、人材確保はこれからの企業経営の大命題だと思います。


人手不足で営業ができない…

僕は24年間、万年人手不足の新聞販売店を経営してきました。
その試行錯誤から、人手不足解消のために打つべき手、打ってはいけない手があることを知りました。

求人広告には「書いた通りの人が来る」という法則がある

まずは「打ってはいけない手」について。
それは人手不足を高待遇で解決することは危険だと考えています。
ここで言う高待遇とは、「賃金が高く仕事はラク」と言った甘いニュアンスを指します。
売り手市場になると、つい企業は弱気になってしまいます。
「ヤル気があればウェルカムだよ」は危険です。

その理由は、求人広告には書いた通りの人が来るという法則があるからです。
高待遇に関心が偏ると賃金と労働時間を交換するという発想の人がワンサカ集まります。
仕事へのやり甲斐、生き甲斐といった内発的なモチベーションとはかけ離れた人が来ます。

23年前に、高待遇を謳ったら金の亡者が来ました。
その人は、入社数日で退職(懲戒解雇)しました。
なんと、空き巣に入って逮捕されたのです。
勤務中じゃなかったのが幸いでした。
新聞店は、お客様は旅行や入院で留守をする情報が入ってきます。(新聞を一時的に止めるので)
そこを狙って侵入したわけです。
今となっては笑い話ですが…

「空き巣が得意な人、募集」と謳ったわけではありませんが、高待遇で引き寄せられる人の中には、こういう輩もいるわけです。

逮捕されるようなヤツは稀ですが、待遇に関心が偏った人が入社すると、「金にならない仕事」はしたがりません。
しかし、今って、やればすぐに金になる仕事はほとんどありません。
顧客との関係づくりなど、未来を見据えた種まきが求められます。

違うモチベーションの人材を入れる必要があると考えています。

過去のエピソードを紹介する求人広告に変える

弊社では、数々の失敗を繰り返し、1つの完成形とも言えるノウハウを確立しました。
「書いた通りの人が来る」という法則を活用し、求人広告には自社が目指す未来、夢を書くようにしたのです。

すると、それに関心を持つ人が集まります。
その人たちは入社してからがスタートです。
(動機が待遇に偏った人は、入社がゴール)

言わなくても自発的に行動しますので、僕の悩みも負担も大きく軽減されました。

「人材育成と組織開発の基礎は採用にあり」

僕が痛感したことです。

では、どんな内容を盛り込めば良いのでしょうか?
最もシンプルな方法は、過去のエピソードを活用することです。

過去にお客様との心温まるエピソードを多数、お持ちだと思います。
その中で、損得勘定を抜きにして、心にグッとくるものを紹介し、「この瞬間を一緒に創ってくれる仲間を探しています」と訴えるのです。

ここには変な上下関係はありません。
パートナーとして迎え入れるスタンスなのです。
売り手市場だから弱気、といった事は一切、ありません。

今は「心の豊かさの時代」と言われています。
これは消費の世界で言われることなのですが、採用も同じです。
賃金に関心がないわけではないが、それ以上に生き甲斐、働きがいを求める人口は非常に多いと、僕は経験上、実感しています。
なにせ、不人気業種の新聞店で多くの募集を実現させたのだから。

小さく知名度がないと嘆くことはありません。
未来がある、夢がある企業には優秀な人材が多く集まる、そう確信しています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

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1年に2回ほどしか開催できませんので、この機会にご参加下さい。

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