「放っておかれる社長」が組織を活性化させる
忘年会のシーズンですが、企業の飲み会って、その会社の文化が如実に表れます。
特に、社員の自発性が分かります。
その場で社員さんが自発的に動いているか?って話じゃありません。
社員さんたちが「上を気にしていない」…ここに表れるのです。
上に気を遣って、社員がお酌をしている会社はマズイのです。
上の目を気にせず、自由に発言できる、行動できる雰囲気はあるか?
「社員が社長のことを気にしていない」…社員が自分たちで考え行動するためには、社長の存在感は薄い方が良いのです。
それは、どうでもいい存在ってわけじゃないよ。
信頼関係はとても大切ですが、要するに怖くないということ。
社長の顔色を伺っていたら目の前の仕事に集中できない、自分で決め判断することができるわけがありません。
悪い例があります。
とある企業の忘年会は「長蛇の列」ができることで有名です。
僕も初めてその話を聞いた時は「バイキングにでも並んでいるのか?」って思った(笑)
実は、社長へのお酌の列なのです。
社長と飲みたくてお酌に行くなら良いけど、この会社はそうじゃない。
「お酌に行け!」と直属の上司から言われるそうです。
で、直属の上司もそう言うくらいだから、自分のところにもお酌に来ないとつまらないのです。
「バカじゃないの?」って感じですよね?
完全に主従関係ができていて、現場の社員さんは上の指示なしには動けない状態になっています。そのくせに、社長は「ウチの社員は言われないと動かない」なんて漏らしていました。
上の目を気にせず、自由に発言できる、行動できる雰囲気…良い土壌で自発的な社員は育つのです。
放って置かれている状態を楽しもう。
次は素晴らしい事例です。
先日、僕が参加した研修に、大阪にある、コスチュームの販売をしている会社の社員さんが10名ほど参加していました。
懇親会があったのですが、社長のNさんが遅れて参加しました。
僕の隣に座ったのですが、社員さんは「お疲れ様です!」と言い、研修の感想を少し伝えただけで、テーブルで話していた話題に戻りました。
何の話をしていたか?
自分の現場で抱える課題を真剣に話し合っていたのです。
あるテーブルでは趣味の話で盛り上がっていた。
で、社長は放っておかれている。
僕は、なんて理想的な状態なのだろうと思いましたよ。
社長が怖かったらこんな状態にならないからね。
1人ポツンと座っている社長を見て、僕は嬉しくなりましたし、社長もこの状態が理想だという事を認識していたようです。
自分たちの意志で物事を進めているからです。
人は、上に立つと、孤独と恐れ、不安を感じるようになります。
「自分 対 多数の社員」
「統制を効かせないと不安になる」
これは人間である以上、当然のことです。
でも、それに取り憑かれて支配行動を取ると、そこには共依存関係が生まれ、組織から活力が失われてしまいます。
「放っておかれている状態を楽しめる」
指示ゼロ社長になる、1つの登竜門と考えています。
影響力は薄いが存在価値の高い社長を目指しましょう。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!