「ヤル気にならないのは社長のせいだ」という世界に別れを告げる

贔屓にしている会社、お店ってありますか?
その会社の社長やスタッフが好きだとか、理念に惚れているとか、損得ではなく感情的に好きな会社です。
でも、それは突き詰めると、企業の中の「誰か」に行き着くのだと思います。
法人格ではなく、個人格。

今日は、社員が自分の個を出すことでファンが付く、そしてそれ故に社員の自発性が育つという話です。

社長だけでなく社員も発信をした方がいい

僕は、ドコモからiphoneが出た時に、それまで契約していたソフトバンクから乗り換えました。
理由は、初期のソフトバンクの電波が悪いイメージが抜けなかったからです。
でも、乗り換えてから気付いたんですが、そんなに変わらないんですよね。
電波状態が同じだと分かっていたら、絶対にソフトバンクを続けたかった。
その理由は、孫正義社長が好きだからです。
どうして好きかといえば、ツイッターでの発信を見ているからです。
条件が変わらないのなら、好きな相手から買いたいじゃないですか。
解約する時に、「今は他社と変わりはないですよ」って言って欲しかった〜

損得の世界は、企業のサービスの優劣で判断しますが、好きか嫌いの判断は企業の誰かに対して向けられる事が多い。
個人が分からない場合…例えば、僕はボディーショップの社長は知りませんが、フェアトレードなどの考え方は知っています。
どんなお顔かは知らないけど、僕の中ではイメージが出来上がっていて好感を抱いています。

僕は、社長だけでなく社員も個を発信した方がいいと考えます。
2つの理由で。
1つは、その方がたくさんのファンがつくから。
もう1つは、その方が社員の自発性が高まるからです。

発信に対するお客様からのフィードバックが社員を育てる

今って、どこの会社も提供するサービス自体に変わりはないです。
だとしたら、僕が孫正義社長が好きだから続けたかったのと同じように、人が見える発信をした方がいいということです。

社長だけでなく社員が発信するようになると、現場レベルでファンがつくから非常に強いわけですが、その状況が社員の自発性を高めることに繋がります。

弊社ではニュースレターを10年ほど前から、月に1回発行しています。
その中で、社員が自分のページを持ち、自分の趣味などのプライベートな情報や自分の考え方を発信していますが、そうすると、それを読んだ方から反応が返ってきます。

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これは嬉しいですよね?
自分で発信したものに対し、面白かった、役に立ったというフィードバックは社員のヤル気に火をつけます。
これは社長に褒められた場合とは、根本的に違うヤル気です。
この違い、わかりますかね?
社長の評価は「ご褒美」みたいなものですが、お客様からの評価は「おひねり」になります。
もっと社長に褒められたいという欲求は依存になる危険性がありますが、お客様からの場合はそうはいかない。
「何で評価してくれないの?」と嘆いても、評価されるようなことするしかないのです。

これは良い反応に関してだけではありません。
批判も来て凹むこともありますが、それは誰のせいにもできませんよね。
これが自発性な育てる肝なのです。

個を発信すると、何らのフィードバックがお客様から返ってきます。
お客様が社員のヤル気を育てるという構図になると、社長の役割は絞られてきますよね。

ビジョンを描くこと。
シナリオを描き、社員に参画してもらうこと。
そして、社員を応援すること。

この3つに集中できるようになる。

ヤル気にならないのは社長のせいだ、という馬鹿げた世界に別れを告げましょう。

誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです。