強さばかりがリーダシップではない。弱さだってリーダシップの源泉になる

僕のセミナーには後継社長が多く参加します。
これから社長に就任する方もいますし、もうベテランの域に達している方もいます。
僕が感じることの1つに、多くの後継社長が「先代のようなカリスマ性を持っていない」ことがあります。
先代が創業者の場合、特にその傾向は強い。

それで悩む方もいますが、一方で先代とは違う、静かなるリーダシップを発揮している方も非常に多いのです。

彼らは一体、どんな方法でカリスマではないリーダシップを手に入れたのか?
今日はそんな事を考えたいと思います。

強い人が魅力的とは限らない。素の自分を生きている人が多くの味方をつける

実は、僕の父はカリスマ的な存在感がある方でした。
昭和4年に生まれ、海軍の予科練を卒業し、これから出陣という時に終戦になりました。
もう、生い立ちからして違います。
命を賭けることを知っている人間ですからね、死生観に基づくリーダシップがある人でした。

父は僕が24歳の時に急逝し、急遽、後を継ぐことになったのですが、やはり周りは父と僕を比較します。
僕なんか、特に不自由なく育った平和な時代の子です。
父のような野生がない。
僕は、父のようなカリスマ性を身に付けなければならないと思い込み、とても悩みました。

ここに大きな落とし穴があります。
「自分を大きく見せようとする」という落とし穴です。
それは本来の自分、素の自分ではない、違う人間のフリをして生きることになります。
本来の自分を抑圧して生きるので心に影を抱えることになります。
表情は硬直化し、笑顔は消え、いつもイライラ、ちょっとしたことにすぐに腹を立てたりと、リーダシップとは程遠い立ちふるまいになりました。
当時の僕の写真がこれ(笑)

不気味です(笑)

リーダシップには「魅力」が必要だと思います。特に、指示ゼロ経営が定義するリーダシップは「味方をつける能力」だからです。
人間の魅力とは一体、何なのでしょうか?
強い人が魅力的だとは限りません。
素の自分を生きている人が、人に愛され信頼され多くの味方をつけるのだと思います。
例えそれが弱さであったとしても。

父はすごい人でしたが、野蛮な面もありました。でも、それを隠さず生きてきたから味方が多かったのだと思います。

非カリスマ的なリーダシップを発揮している人に共通すること

グイグイと引っ張るタイプのリーダシップではない、味方につけるリーダシップを発揮している社長は、「自分の力の限界を認めている人」だと感じています。
しかも、その境地に至るまでには、相当な努力と葛藤を経験しているように思います。

カリスマになろうとして努力して努力して、なれなくて、自分を大きく見せて、それでもダメで、至った結論は「自分1人の力では会社を成長させられない」という諦めの境地から来るリーダシップスタイルです。

例えば、毎年、指示ゼロ経営を社内研修で行っている会社の社長がそうです。
頭も切れるしパワーもある30代の社長です。
一番、最初に研修でお邪魔した時は「オレに不可能はない」という自信に満ち溢れていました。
翌年もそうでしたが、昨年は違った。
人が変わったかのようにイケイケな雰囲気はありませんでした。
「素の自分の上に鎮座している」そんな雰囲気を放っていました。

何かあったのか?とお聞きしたら、社長1人の力では解決できない大きな問題を経験されたのです。
とても他人に話せなような失敗を、冗談交じりに話している様子から、完全に殻を破ったことが伺えました。

「社員を信頼して頼りにする」…口で言うのは簡単な事を、等身大の自分で社員さんに語る姿は、とても説得力があり、また共感を生むものでした。

「指示命令をする」<「任せる」<「頼りにする」

この「頼りにする」ことを心から言えた時に、カリスマに依存しないリーダシップが生まれるのだと思います。

後継社長は、周りから先代と比較されることが多いと思います。
自分自身で比較することもあると思います。

様々な葛藤を経験して、良い意味で諦めた時、自分の弱さを認めた時に、まったく新しいリーダシップが誕生するのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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