「できるはずない」→「できるかも」→「できるはず」に変わる自信の創り方
何か新しいことに挑戦する時の一番の課題は、やり方が分からないとか資金がないとか、そういう現実的なことよりもメンバーが「できない、変えられない」と思い込んでしまっていることだと思います。
気持ちのセットができていないことです。
人は「できない」を前提にすると、本当にそれを引き寄せてしまいます。
方法はみんなの知恵でなんとでもなります。
打つ手は無限です。
だから「なんとかする」「なんとでもなる」という気持ちになることが大切だと思うのです。
何かに挑戦する時の一番の課題は「どうせできない」と思い込んでいること
先日、秋に発売される書籍の事例インタビューを行いました。
お相手は大手生活財メーカーに勤務するNさんです。Nさんは教育担当をされていますが、いつも新規事業や新規部門の立ち上げ、混乱している部署に配属されます。
立ち上げ、立て直しがミッションで、それが終わったらお役御免という立場です。
Nさんが抜擢されるのには理由があります。
それは自分がいなくなっても「集団の力で」課題を解決できるチームづくりができるからです。
インタビューでは「どのようにやっているか?」を聞きました。
なるほど〜と膝を打つような工夫をされていましたが、終盤ですごいことを言いました。
一番、重要なのはやり方ではなく「あり方」だと言うのです。
みんな会社を良くしたいと思っているんだよね。でも、変えられない、できないと思い込んでいる。だから私の役割は「石を投げ続けて小さな波紋を創り続けること」だと思う。
石とは意志のことだと僕は解釈しました。「石を投げ続ける」というのはリーダーの諦めない意志だと。
具体的には「できる」と自分の意志を伝え続けることだと。
僕はこれを聞いて大きな気付きを得ました。
何かに挑戦する時の一番の課題は「どうせできない」と思い込んでいることです。
人の脳は「できる」を前提にすればできる方法を考えます。逆に「できない」を前提にするとできない理由…言い訳が先行します。
やり方よりも先にあり方が重要なのです。
しかも、気持ちのセットは、いきなりできるものではありません。セットできてから行動、ではいつまで経ってもスタートすることができません。
だからやりながらセットしているのです。
やっているうちに「できない」が「できるかも」に変わり、やがて「できる」になる。
そんな現実的な方法を考えているのです。
では、どんな方法なのでしょうか?
段階を踏んで「できるはずがない」を「できる」に変えていく
その方法とは「最初から共に考える」というものです。
考えることは「たくらみ」です。結果には必ず原因があります。原因と結果が結びついた時に人は「できるかも」と思えるようになります。
いきなり結果である数値目標を出されたら「できるんかいな?」と不安になりますよね?
あるいは上司が計画を立てて部下に伝えても、一方的に言われたことには主体的になれません。他人事のように「できるんかいな?」です。
だからたくらみ段階から一緒に行っているのです。
具体的には…
まずは「顧客は誰か?」を話し合います。商売する相手を明確にしないと、その人が何を求めるのかが鮮明になりませんから。
次に、その顧客が求める価値は何か?を考えます。
「どんな人が」「どうなりたいのか?」という組み合わせです。
そして顧客がその思いを実現するために自分たちにできることを具体的に描きます。
そして個々の役割を立候補で決めていきます。
役割を自分で決めるためには自分を知らなければできません。なので「そもそも持っている感心」を探るワークをやっているのです。
自分の得意や才能は意外と自分自身が分かっていないことが多い、だからそれを浮き彫りにした上で役割を決めているのです。
見事な方法ですよね。
ゼロから自分たちで考えたたくらみだから自分事になります。
でもこれだけではないのです。
プランができると「できるかも」となりますが、いざ実行段階になると様々な問題に直面してメゲてしまいます。
そんな時は「ペアワーク」をやっているそうです。
1対1のペアになり自分の課題を出して解決策を考えるやり方です。アイデアが出たら別の人とペアになり…これを繰り返します。
狙いは自分たちで課題を解決する体験を重ねることです。
「できるかも」から「できるはず」へ。
そして、都度「私はこうしたい」と想いを語ります。
これが「石を投げ続けて小さな波紋を創り続けること」なのです。
これをやっているからNさんがいなくなっても大丈夫なチームが育つというわけです。
見習うところが多いですよね。
大企業でも自律型組織はできるんだ、と僕は本当に嬉しくなりました。
まずは手法の前に「気持ちのセット」を考える必要がありそうですね。
それでは今日も指摘な1日をお過ごしください。
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