社員の自発性が育たない原因は「報連相」の厳守にある
自ら考え行動する組織には「報連相」がない
おはようございます。
昨日、出張先で弊社の社員から珍しく電話が来ました。
その瞬間「何かあったな」と思ったんですが、別に心は動揺しませんでした。
あ、僕、社員から電話が鳴ることはほとんどありません。
指示ゼロ経営が機能して、自ら考え判断し行動する習慣が身についているから事後報告だけが来るだけです。
その電話もそうでした。
1人、アルバイトスタッフが突然に退職することになって、その対応をしたという冷静な連絡でした。
「ああ、それはご苦労様」
1分で終わりました。
でも、今から15年前はそうではありませんでした。
何かあると「どうしたら良いですか?」という電話がしょっちゅう鳴っていました。
会議中でもセミナー中でも鳴る。
休憩時間に対応するのですが、場合によっては昼飯が食べられないなんてこともありました。
でも、それがカッコいいと思っていたんです。
そういうのってないですか?
「電話が鳴りまくる忙しいビジネスパーソン」「バシバシと指示を出す経営者」
当時の僕はそう思っていたんですが、気が休まる暇がないですよね?
それ以前に、いちいち指示を仰いでくる状態は良くない。
任せたら何も言わずに事後報告だけを受ける
私たちは「報連相は社会人の基本」だと教えられました。
確かに、そうだと思います。入社してしばらくはね。
何かあったら上司に指示を仰ぎ対策を聞く→そのとおり実行したら進捗と結果を報告する。
連絡はマメに行う。
任すに足る人材に育つまでは必須だと思います。
でも、それを続けていたらいつまでたっても自発力は育ちません。
「ある日」を境に報連相は原則禁止にした方がいいと考えています。
ある日、とは任すに足ると判断した時です。
入社時に、「報連相は最初の3年間だけ」と伝え、自ら考え行動する人材になって欲しい大まかな時期を伝えます。
ほうれん草はポパイの食べ物です(笑)
その日が来たら相談されても基本的に教えません。
意地悪だと思われてもしません。
実は結構、寂しいんだけどね(笑)
難しい課題の場合、解決のための原理原則だけは伝えますが、具体的なアイデアは出しません。やがて「この人に相談してもダメだ」と思われたらしめたものです。
そうなると仲間に相談をするようになりますが、仲間は指示は出せませんので、アイデアの創発が行われ、あくまでも決断は自分でする形になります。
自ら考え行動する人は相談をしません。
一番最悪なのは、考えさせておいて相談をさせ、ダメ出しをすることです。
もし十分に育っていなかったら任せてはいけませんよね。
相談がなくなると必然的に報告は「事後報告」になります。
それは連絡とさほど変わりはありません。
僕は、以前に長期出張から帰ってきたらオフィスのレイアウトがガラリと変わっていたこともあります。
「違う会社に来ちゃったかと思った(笑)」「ああ、変えたんですよ。社長は今度からこの机で!」なんて会話が展開されました。
「なんで俺が隅っこなんだよ(怒)」と思いつつ、そこでケチをつける事はしません。
任せたんだから。
任せられない人には絶対に任せない。
任せたら何も言わずに事後報告だけを受ける。
自律的な組織をつくる鉄則ですね。
では、今日も素敵な1日を!