適材適所を社長の指示ではなく、自分たちでやってしまう集団にしよう
「適材適所」って口で言うほど簡単じゃないと思います。
考え方はシンプルで有効なんだけどね。
最初に戦略を考えて、その遂行にふさわしい人を配置するのは、実はすごく困難だと考えています。
実際にやってみると、そんなに都合のいい人材がいないんだよね。
特に中小企業はそうだと思います。
今日は、中小企業の適材適所について考えたいと思います。
組織に都合の良い人間なんて揃っていない
僕は、やること(シナリオ)に合わせて社員を教育するのはすごく非効率だと考えています。
いきなり「今度、これをやることになったから、それまでに◯◯ができるようになってくれ」って突然、言われても困りますよね?
覚えれば誰でもできるようなスキルだったら良いけど、そもそも自分に合わないことだと無理です。
これって料理に例えると分かりやすい。
今日はカレーにしようと決め、冷蔵庫を開けたら人参と玉ねぎしかなかったとします。
そこで、買いに行く予算がなくて、じゃがいもに「人参になってくれ」と言っているようなものだもん(笑)
現実的にどうするか?
もしトマトがあったら、トマトカレーを作れば良いと思います。
よく見たらアスパラガスがあるからそれも入れちゃえと。
結局、人参はないけどすごく美味しいカレーができた…そんなイメージが中小企業には合うと思います。
この件に関して、先日、親友がメールでドラッガーの書籍の一文を送ってくれました。
「これって指示ゼロ経営的じゃない?」と。
そこにはこんなことが書いてありました。
人事の決定が時間を取るのは、神は、人を組織のための資源として創造したわけではないと言う単純な理由による。人が、組織においてなすべき仕事に適した大きさや形では現れてくれない。仕事に適するように組み立て直したり鋳直したりすることができない。
要するに、都合の良い人間は揃っていないというわけです。
シナリオを優先して、じゃがいもに人参になることを求めるのは、すごく無理があり集団に歪みが生まれると思います。
「有るものを上手に活かす」…この発想が良いと考えています。
役割を自分たちが自律的に決める「自己組織化」
「有るものを活かす」と書きましたが、指示ゼロ経営の発想には「活かす」という考え方はありません。
社長が社員を活かすのではなく、社員が自分で自分を活かすのが指示ゼロ経営的な視点です。
それを「自己組織化」と言います。
簡単なことで、例えば、会社で休憩中にコーヒーを飲んでいたら突然、火災が起きたとします。
その時に、どうなるか?
全員逃げた…そんなケースもあると思いますが(笑)きっと、誰かが119番に電話をすると思いますし、別の誰かは重要書類をまとめる、また誰かはバケツに水を汲むかもしれません。
その時、その場、その状況で最適な役割を自分たちで決めてしまうのが「自己組織化」です。
火災の場合、自己組織化が良いか、誰かが指示命令を出すのが良いかは分かりませんが、今の時代、仕事においては自己組織化が良いと考えています。
「共通の目的・目標を共有すると、集団は自己組織化する」
これが指示ゼロ経営の組織づくりで、変化が激しい時代の適材適所です。
しかし、これまで指示命令で動いていた集団がいきなり自己組織化する事は簡単じゃありません。
「常に受け身」…そんな習慣がついていると、指示を出さないと動かないと思います。
でも、指示を出したら元の木阿弥ですよね?
習慣を変えるには、環境を変えてしまうのが一番です。
例えば、ミーティングのやり方を変えるのも、安全な導入法の1つです。
いつも社長が仕切って、社長ばかりが喋っているなら、社長は黙る、あるいはその場にいないこと。
ミーティングの目的…「終わった時に、全員が何を手にしているか?」を確認したら、後は「信頼して任せる」
これがなかなかできないんだけどね…
実際に、これをやって成果を上げた人を僕は何人も知っています。
もしかしたら、社長が仕切らなかったら何も決められなかった、となるかもしれません。
でも、それで良いと思います。
「社長がいないと決められない」という「結果」が手に入るのは1つの成果だから。
今度は、その課題を考えてもらえばいい。
そんなに時間がかからず、自分たちで決められる集団になるはずです。
自分たちで決める喜びを味わったら病みつきになるからね。
そのミーティングでは役割を自分たちが自律的に決める「自己組織化」が起きているはずです。社長が行う適材適所ではない、自律的な適材適所ができる様になると考えています。
気づけば、すごく美味しいカレーができていた。
そんな現実が訪れと思いますよ!
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
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