よく行動する社員を育てたかったら「失敗してもいい」と伝えよう

僕はセミナー講師として、参加者の多くが実践してくれることを望みますが、宿題などを出して強要することはしません。
社内でも同じです。
特に社内ではすごく気をつけるようにしています。
 
学ぶことは目的ではなく、それを実践に移して初めて意味があります。
だからこそ、実践を催促したくなりますが、それは長い目で見ると逆効果だからです。
かと言って、学んだことが活かされるのが数年後じゃ困る。
 
「実践が遅い」…今日はそれにどう対応するか?を考えたいと思います。

催促して仕事が不快になったら大きな損失を被る

なぜ実践を強要、催促しないのかと、「脳に悪いから」です。
学びを行動に移すには勇気が要りますよね?
「失敗したらどうしよう…」とか思ってしまう。
人により程度はあると思いますがプレッシャーに感じる人は多いと思います。
 
そんな状態で強要をするとどうなるか?
脳が行動自体に不快を覚えます。
頭ではやらなきゃいけないと思っているが感情は躊躇している、そんな状態での強要は結構なストレスになります。
 
で、脳は不快な思い出をいつまでも覚えています。
身を守るための本能だもん。
そうなると次に行動する時に、その記憶が蘇り「やったるで!と攻めの気持ちになれないのです。
沈んだ気持ちで実践すると楽しくないから、またその記憶が刻まれてしまう…悪循環のドツボにハマってしまうのです。
やがて挑戦できない病にかかってしまうのです。
 
だから変に催促するのは長期的には損だと考えているのです。
 
例えば、僕は夢新聞の講師を養成する講師をやっていますが、多くの講師が認定講座を受けてから実際に自分で夢新聞を開催するまでに時間がかかります。
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なので「やると決めて、日程を決めてしまいましょう。どうやるか?は後で考えよう」とだけ伝えます。
同時に、「1人でも参加者がいたらやる。ゼロだったら中止にすればいい」と。
 
「やると決める」時期は100%本人に任せています。

人は自分で決断するとストレスが軽くなる

とは言っても、そんな悠長なことは言っていられないというのが現実だと思います。
じゃあ、どうすれば良いか?
 
「失敗しても良い」と伝えることだと思います。
「おいおい、そんな甘いことを…」と思うかもしれませんが、これが「一番安全」で確実だと考えています。
急かした上に「失敗は許されない」なんて言ったら、脳の不快指数はマックスで、それこそ長期的には大損をします。
 
「一番安全」と考えるには理由があります。
それは「成果と結果は同時には出ない」から。
この言葉を僕に教えてくれた人が、企業向け夢新聞ワークショップ「BMR研修」の仲間、コンサルタントの福山重紀さんです。
福山さんのHPはこちら
 
ここで言う「結果」とは最終結果のこと。
「成果」とは、最終結果までに起こる変化、手応えのことです。
 
つまり、フタをバーンと開けたら取り返しのつかない大失敗だった「アレ〜?」、なんてことはないのです。
その前に、悪い手応えがあるはず。
 
失敗しても良いというのはそういうことね。
というか、途中経過で全く失敗をせずに最終結果にたどり着くなんてあり得ないから。
 
その時点で上司に相談に来ればいい。
それを温かく迎えるのは上司の責任だからね。
 
さらに、チームが指示ゼロになると、メンバー1人1人が全体を観て、全員で成果を上げる意識が育つので、仲間が助けに入るようになります。
 
行動に移せないのは怖いからです。
ただでさえ怖いのに、さらなる恐怖を与えるのは論外だと思います。
 
催促や強要をする前にやるべき事がある、そう考えます。
 
それでは今日も脳を快にして仕事をしましょう。