社員の自発性を高めたければ禁句にすべき3つの言葉

「いくら口酸っぱく言っても部下が自発的に動かない」…そんな悩みを持つリーダーは多いと思います。
「いちいち聞いてくる」「そのくらい自分で考えれば分かるだろ」
新入社員ならともかく入社1年以上経てば、自分で考え行動して欲しいですよね。
 
しかし、自発性はいくら言ってもなかなか育ちません。
自発性の例えに「馬を水飲み場まで連れていることはできても、水を飲ませることはできない」という諺があります。
本人が「そうしたい」と思わない限り自発性は発揮されなのです。
 
「そうしたい」と思うには何が大切か?…今日はそんなことを考えたいと思います。

指導者がいないのに世界チャンピオンが生まれた!?

昔から名選手が名監督になれるとは限らないと言われます。
自分ができるのと指導ができるのとは違う次元の話だと思います。
 
面白い話があります。
長野県小布施町に「浄光寺」というお寺があり、林 映寿さんという和尚がいます。
通称「サイバー和尚」
ネットで自筆の文字などを販売する変わった和尚です。
あ、和尚、今度本を出すことになったので、是非、読んで下さい!
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(クリックで紹介ページに飛びます)
なんと、浄光寺にはスラックライン場があります。
「寺の数はコンビニよりも多いのに、寺には年に1〜2回しか来ないのは残念だ」という思いから作り、地域の子どもたちを中心に毎日賑わっています。
当初そこには名プレーヤーは1人もいませんでした。
道具があるだけです。
 
ところが子どもたちが自分たちでYouTubeを見て学び合い、なんと!世界チャンピオンを輩出してしまったのです。
名プレーヤーも名監督もいない、でも育つ。
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ここに企業における人材育成の肝…先程の「馬の話」になります。
 
自発的に学ぶ意欲です。
 
企業における人材育成も同じです。
小さな会社では社長自らが社員さんの指導に当たることが多いですよね。
しかし、社長はもともとハイモチベーションだから、モチベーションが低い人のことが理解できないのです、
で、「当たり前のことができないのは弛んでいるからだ」と結論づけてしまいがち。
 
社長という人種が生まれつき優秀ならともかく、そんな事はないわけです。
社長と社員さんの意識の違いがどこから来るのか?を考えれば正しい対応ができるはずです。
 
次に、その「違い」を考えてみたいと思います。

社員さんに「なぜやるのか?」を考えてもらう時間が必要

違いはいくつもありますが、自発性に影響する違いは「意図」だと考えています。
社長は、何でも自分で決めることができますよね?
で、決める時はちゃんとした考え、狙い、意図を持って決めているはずです。
「何ためにやるか?」を意識して意思決定をしている。
 
すごく単純ですが、これが馬でいう「水が飲みたい」という意欲の源だと考えます。
「人は意義の分からないことには自発的にはならない」…これが性なんだよね。
 
上司が決めたことの意義を理解せずに、「何をやるか?」「どのようにやるか?」と、ハウツーだけを指導しても習得しないのは自然なことだと思います。
だから「なぜやるか?」…意義を理解してもらうことが大切。
 
こう言うと「それもちゃんと説明している」と言う人もいます。
でも、説明したのと、それを理解したのとは全く別のことなのです。
 
人は見たこと聞いたことのほとんどは忘れてしまいます。
でも、自分で話したこと、行動したことのほとんどは覚えています。
だから「口酸っぱく言う」というのは労力に対し効果が低い、というよりもマイナス面が大きいと思います。
「何度言っても改善しようとしない」と不満を持ったら、部下との信頼関係に傷がつくから。
 
「なぜやるか?」を出発点にし、それを社員さん「たち」に考えてもらうことが大切です。
みんなで考えた方が、色んな知恵や考えが共有できるし、そこから出た答えは「みんなで大切にするもの」という認識が生まれるから。
人は上司が大切にするものよりも、みんなが大切にするもを大切にするから。
 
目的・意図がハッキリすれば、極端な話、ハウツーは何でも良いと言うことになります。
だから、やり方の改善も盛んになります。
 
良いことばかりでしょ?
 
「口酸っぱく言う」→「社員さんに喋ってもらう」
「重要なことだからよく聞け」→「重要なことは社員さんに喋ってもらう」
「一度しか言わないぞ」→「何度も社員さんに喋ってもらう」
 
左の3つは禁句にしましょう!
自発性を高めたければ、何かある度に、みんなで「なぜ」を確認し合う習慣をお勧めします。
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!