自動車メーカーをモデルにし目指すべき経営を模索する

あなたの会社を自動車メーカーに例えると、どの企業でしょうか。
トヨタ 日産、ホンダ、スズキ、スバル、BMW、ベンツ、MINI、シトロエン…etc
今日の記事は、そんな問いから始めたいと思います。

自動車市場は「万人にとって便利なクルマ」と「感性価値の高いクルマ」との二極化が進んでいます。
前者はマスを、後者はニッチを相手に商売をすることになります。
前者の代表格はトヨタで、後者は日本車ではスバルやマツダ、外国車ではポルシェやMINIなどが得意ですね。
BMWやAudi、ベンツなどは、便利だし感性価値も高い優れた車だと思います。

少し前に、トヨタが5年連続で販売台数世界一を記録したと報道されました。一方、日産自動車が800億円の赤字になるとの見通しを発表しましたね。

便利なものの市場は勝者が総取りをする宿命にあります。
自動車は、発明当時は生活者からしたら夢のアイテムでした。しかし、いかんせん高価で、一部の富裕層しか所有することが出来ませんでした。
万人にとって便利なもの=市場がデカいので、何としてでも低価格を実現させ普及させたかった。
それを最初に行ったのは、ベルトコンベア方式を開発したフォードでした。
その後、世界中の自動車メーカーが大量生産による安価を実現し、クルマはものすごい勢いで普及しました。
増えていくパイを、みんなで分け合うことができた良い時代です。

ある程度普及すると二極化が発生します。
スケールメリットの効用を最大化するために、ひたすら資本を増強し巨大化する企業が現れ寡占化が進みます。
最終的に、トップランナーが総取りすることになります。

その他のメーカーは、トップランナーと競争する体力がないので、個性的なクルマをつくる「独自化」の道を進みます。

自動車産業で起きている二極化現象は、今後、多くの産業で起きると考えています。

コンビニに行くと二極化が顕著に表れています。
ハサミやカッター、ホチキスなどの便利なものは、もはや1種類しか置いてありません。
一方、ビールやタバコなどの感性価値が高いものは、商品を見つけるのも大変なほど種類が豊富です。

万人にとって便利なもの市場でトップになるか。
感性価値の高いもので独自化を狙うか。

資金力のない中小企業の生きる道は後者にあるのではないでしょうか。

一番、ダメなのは中途半端です。

今、日本中で、イオンモールと小さく個性的なお店が活況で、イトーヨーカドーや地元資本の百貨店が青色吐息という現象が起きています。

経済学の世界では、昔から「V字の谷」という概念があります。
売上高と利益率、それぞれを軸にグラフをつくると、売上高が大きい(規模が大きい)企業と売上高が小さな企業は儲かるが、中途半端は儲からないという分布が見えるのです。その分布を線で結ぶと、中規模企業の業績が極端に凹む「V字」になることから名付けられました。

今後は、V字の谷はより深くなっていくと考えられています。
中途半端は、もはや安全地帯ではありません。

今日は、自社のビジネスを自動車メーカーに例えると、あなたの会社はどのメーカーでしょうか。それを考えるとビジョンの輪郭が浮かび上がってくるかもしれません。

最後に余談ですが、経営者が乗っているクルマが、その人のビジネス志向を表しているような気もしていますが、これは僕の偏見でしょうか 笑
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