「好き嫌いを言うな」ではなく、好き嫌いを宣言するから組織は上手くいく
指示ゼロ経営の常識は世間の非常識。逆に、世間の常識は指示ゼロ経営の非常識ということがあります。
リーダー強くタフであれ(世間)↔弱さを受容し開示する(指示ゼロ経営)
リーダーは部下1人1人と関わる(世間)↔部下集団と関わる(指示ゼロ経営)
仕事に感情を入れない(世間)↔積極的に感情に向き合う(指示ゼロ経営)
よく「好き嫌いを言うな」という言葉を聞きますが、これも指示ゼロ経営とは逆だと思ったのです。
その理由は、好き嫌いを言わないと適材適所は実現しないからです。
適材適所は、それぞれのメンバーの短所をそれぞれがカバーし合うことで成り立ちます。そのためには、好きなことだけでなく、嫌いなことを明確にする必要があります。
「これは嫌いだが、これは好き」と。
ある企業では、全社員に「好き嫌いアンケート」を行っています。実物を見せていただきましたが、そこにはこんなことが書かれていました。
「作業を順序立てて行うのは好きだが、臨機応変に対応するのは苦手」
「人とコミュニケーションを取るのは得意だが、1人で作業をするのは嫌」
「分析は得意だが、新しいことをつくり出すのは苦手」
アンケートは社員全員で共有しています。その意図は、適材適所はリーダーのコントロールで行うよりも、自分たちで得意不得意の凸凹を補い合う方が上手くいくからです。
「リーダーの管理なしでできるのか?」と思うかもしれませんが、人には互恵の本能があるので上手くいくのです。
誰だって、自分の好きや得意を活かしたいと思うものです。しかし、それは「自分さえ良ければ」という考えでは成り立ちません。
互恵でしか実現しない世界なのです。
人間を社会的生き物たらしめているのは、本能に染み付いている互恵の感性です。
勿論、互恵ではない行動をする人が出る可能性も否定できません。しかし、その場合、仲間から注意されるでしょう。
つまり、自浄作用が働き正常化するのです。
これをリーダーが行うとそうはいきません。やっているふりをしたり、リーダーの目を盗んで自己中な行動をするようになります。
よく「メンバー同士が助け合わない」と悩むリーダーがいますが、その多くは、チームの調和をリーダーの主導下で行っている組織で起こります。
メンバーがリーダーに依存することで、本来、持っている自浄作用を消してしまうのです。
チームワークとは、全体成果を目指す上で、「困っている人を助ける」「励まし合う」「得意不得意の凸凹を補い合う」という行動で成立します。
互いの好き嫌いを認め合い、補い合う関係性こそが、真のチームワークを生み出します。管理よりも信頼、命令よりも共感。そんな組織が、これからの時代をしなやかに生き抜いていくのだと思います。
それはメンバーの自発的な行動があって初めて拓ける世界だと考えます。
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