200円の費用で「天才集団」になる方法
僕が経営支援先に対し、何度も何度もしつこく伝えていることがあります。
先方から「またそれ?耳にタコができるよ」とウザがられても伝えるようにしています。
それは「意見やアイデアを文字化する」ということです。
チームで仕事をする際には、付箋でも紙切れでもデジタルでも良いので、とにかく、出た意見やアイデアを文字化して、みんなが見えるようにすることが重要です。
複数人で仕事をする際に、文字化をしないで進めると絶対に上手くいきません。
僕は、滅多に「絶対に」という言葉は使いません。イノベーションとは、周囲が言う「絶対に無理」をひっくり返すわけですからね。
しかし、チームで仕事をする際の文字化に関しては「絶対」と言いたいのです。
文字化しないとどんなことが起きるのでしょうか。
そこには3つの深刻な弊害があります。
1つ目は混乱です。
ミーティングを行うと、その場には大きく分けて4つの発言が飛び交います。
「現状の問題点」「理想」「アイデア」「できない理由」
例えば、当社で、新聞配達ミスを減らすプロジェクトで出た意見は次のようなものでした。
Aさん:「短時間で配らければならないため仕事が雑になっている」(現状の問題点)
Bさん:「配達ミスゼロを目指したいですね」(理想)
Cさん:「新聞をポストに入れる前に、銘柄を確認してはどうか?」(アイデア)
Dさん:「銘柄の確認なんて、暗い時間帯には無理」(できない理由)
このように、属性が違う4つの意見が同じ空間で混然と飛び交うのです。文字化しなければ混乱するのは自明のことですよね。
意見やアイデアは必ず付箋などに書き、整理しながら対話を進めることが大切です。
進め方はシンプルです。
①:1人1人に付箋を数枚配る。
②:まずは現状の問題点を書く→発表→同じ意見はまとめる。
③:②で出た問題点1つ1つに対し、それが解決した状態を書く。
④:③を実現するアイデアを書き発表→同じ意見はまとめる。
この手順で進めると、できない理由はあまり出ないはずです。
先ほどの新聞配達ミスの事例で言えば…
②:短時間で配らければならないため仕事が雑になっている
③:短時間でも、丁寧な仕事ができている。
④:前日にできる作業は前日にやる。整理整頓を実施し物を探す時間を減らす。
といった具合です。
文字化しない弊害の2つ目は、意見に偏りが出ることです。
チーム内には、よく喋る人と、おとなしい人がいると思います。文字化せずに話し合うと、よく喋る人の意見にみんなが吸い寄せられてしまいます。
これが「集団浅慮」(集団がお馬鹿になること)の典型的なパターンです。
集団が文殊の知恵を出すためには、忖度なく発言する「独立性」と、色んな意見が出る「多様性」の2つの要件が必要だと言われています。
文字化してから話し合うことで両要件を満たすことができます。
ただ、色んな意見が出ても、自分の意見をゴリ押しする人が出る可能性があります。
そうなりそうな場合は、リーダーが、他の人の意見を「この意見も検討した方が良いよ」と、話し合いのテーブルの中央に引っ張ってくることが大切です。
3つ目の弊害はメンバー間の衝突です。
文字化せずに話し合うと、人間と人間が真っ向から向き合う構図になりますよね。
これが、付箋などに書いてホワイトボードなどに貼り出すと、発案者を見ずに付箋を見ながら話し合うことができるのです。人間と意見が分離されることで衝突緩和の効果があります。
というわけで、僕が口うるさく「文字化してくれ」と言うワケがご理解いただけましたでしょうか。
100均に行けば、200円で付箋とペンが手に入りますのでお買い求めください。
.
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。
採用セミナー 残席3名です。
✓自発性の高い人材がたくさん集まる
✓面接時の情熱とヤル気が入社後も続く
✓先輩社員が新人の教育に関心を持ち共に育つ
3月19日(水)開催です。
↓詳細はこちらをチェックしてください。