メンバーの才能を組織の力に結集する「デザイン力」を鍛える

適材適所とは、組織力が最大化するように、メンバー個々の能力とポジションを組み合わせる「デザイン力」と言うことができます。

そこで大切になるのが、適材=「しかるべきポジション」と、適材=「そこで活躍するための能力」を明らかにすることだと思います。

組織活動の基本は、「価値を作ること」と「展開すること」の2つです。レストランで言えば、美味しい料理をつくり、お店で出すこと。小売業で言えば、商品を仕入れ、店頭で売ることです。

この2つのポジションに「適材」を当てると適材適所が実現します。

原始の経営はこのようににシンプルでしたが、生活者の消費感性が進化したり、ライバル企業が台頭したりすると経営は複雑になっていきます。

特に、現代は、モノ余りの成熟期ですので、価値あるプロダクトを作るためには、高い創造性が必要です。創造性は、自由闊達な組織風土に依存しますので、風土づくりも欠かせません。
また、プロダクトの生産や流通の効率化といったスキルも求められるようになりますし、それを効率よく行うためのチームワークも求められます。

図解すると次のようになります。

良い成果は、より良い風土の養分となり循環するという構図です。

現代の適材適所とは、この図にある要件の1つ1つに「適材」を据えるということです。

適材の目安として、参考になるのが、ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱する「多重知能理論」です。
ガードナー教授によると、知能には8種類あると言います。

1、論理・数学的知能
2、言語的知能
3、運動感覚的知能
4、音楽的知能
5、空間的知能
6、対人的知能
7、博物学的知能(物事を調べたりコレクションする能力)
8、内省的知能

多重知能理論を詳しく知りたい方は、このサイトを参考にしてください。

ざっくりとですが、先ほどの図解にこれらの知能を当てはめてみます。

・創造的風土づくり→内省的知能
・価値創造→内省的知能、音楽的知能、言語的知能
・チームワーク→対人的知能、内省的知能
・生産の効率化→論理・数学的知能、言語的知能
・流通の効率化→論理・数学的知能、言語的知能
・展開(PDCA)→論理・数学的知能、博物学的知能、内省的知能

適所で働くと、仕事が愉しくなります。
人間の能力が開花するためには、それ相応の修練が必要ですが、愉しくなければ続けることはできません。また、アイデアの創出は1つのことを考え抜く時間に比例しますので、仕事を愉しめているかどうかは、熟達の生命線と言っても過言ではないと思います。

社内のメンバーを見渡してみると、人により様々な特性があることに気づきます。
また、必要な知能を持った社員がいないという課題が浮き彫りになることもあります。そうだとしたら採用の改善が必要になります。
採用は、採用担当者の好みに偏る傾向がありますので、多重知能理論を知ることで、偏りを防ぐことができます。
メンバー同士が、互いの能力を知ることで、互いを尊重するようになるという嬉しい効果もあります。

このように、適材適所という伝統的な知恵に科学のメスを入れると、非常に闊達な組織を開発することができると考えています。
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