プリンセスプリンセスの名曲「M」から学ぶ経営学
失恋経験がある方は分かると思いますが、失恋から立ち直るまでの間に「空白の時間」があったと思います。
「何もする気が起きない」という宙ぶらりんの期間です。
実は、空白の時間は、次のスタート切るために欠かせない要件ということが分かっています。
臨床心理学の研究では、何かを始める時には、始める前の「終焉」が必要だということが明らかになっています。新しい恋を始めるなら、前の恋にケリをつける必要があるということです。
しかし、これがなかなか難しい。
プリンセスプリンセスの名曲「M」の中に、「消せないアドレス Mのページを指でたどっているだけ」という歌詞がありますが、終焉の難しさを表現した秀逸な描写で、多くの人が共感を覚えたのではないでしょうか。
高校時代によく聴いたな〜
映画でも空白の時間が描かれることが多くあります。
映画のストーリーには普遍的なパターンがあります。
「日常」→「日常を変える出来事」→「冒険への誘い」→「葛藤」→「メンターとの出会い」→「決断」→「出発」→「試練」→「乗り越える」→「最大の試練」→「勝利」→「日常への帰還」
ざっとこんな構成ですが、この中の「葛藤」にあたるのが「空白の時間」ということになります。
このことは経営にも当てはまります。多くの社長は、新年度になると始める話はしますが、終わらせる話もしなければ空白の時間づくりもしません。僕も例外ではなく、ずっとそうやってきました。
社員さんからすれば、いつもの日常を送っていたら、経営計画発表会で社長が急に「冒険に出るぞ」と言い出し、「じゃあ夜露死苦」と言われるようなものです。
これが、「モチベーションの喪失」「中途半端」「完遂できない」といった弊害を生む原因と考えることができます。
映画のパターンと比較すると、経営には「葛藤」→「メンターとの出会い」→「決断」が抜け落ちていますね。
社員の自発性・自律性を重んじる経営を目指すなら、必ず確保すべきプロセスです。
「空白の時間」は1週間ほどで良いので、不安や懸念も口にできる、充実した対話の場を設ける必要があると思います。
メンターがいない場合、自社が取り組もうとする事を、すでに実践している企業があれば、その事例を共有することも有効です。
僕の先輩の会社では、これらのプロセスを経て、最後に、社長から「やる?」と聞き、社員さんに決断を表明してもらうようにしています。その際、決断できなければ、再び対話に戻るそうです。
プロジェクトは始める時に、ほぼすべてが決まっています。
ちょうど今、新年度の計画を立てている方も多いと思いますが、是非「終焉→空白の時間→決断」のプロセス導入を検討してみて下さい。
.
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」をしてください。
読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。
採用術セミナーを3月19日(水)に行います。
✓自発性の高い人材がたくさん集まる
✓面接時の情熱とヤル気が入社後も続く
✓先輩社員が新人の教育に関心を持ち共に育つ