「必ず褒める上司」よりも「気まぐれで褒める顧客」の方が人を育てる
社員は、上司よりも顧客によって育てられると、僕はずっと考えてきました。
顧客には社員の教育義務がないので、社員は甘えることができません。「私を伸ばすために褒めてよ」とは言えないので、自立心が芽生え、自分の仕事に責任を持つからです。
さて、今日は、自立心のほかに教育効果を高める要因…
「必ず褒めてくれる上司」よりも「不確実に褒めてくれる顧客」の方が人を育てる
ということについて考えたいと思います。
上司には部下の教育義務があるので、部下の行動をよく観察し、褒めるべき時には必ず褒めます。逆に、注意をすべき時には必ず注意を与えます。優秀な上司ほど、この部分が厳格ですよね。
しかし、顧客はそうではなく「気まぐれ」です。「あれ?今日は褒めてくれなかった。どうしたんだろう?」という経験を持つ方は多いと思います。
気まぐれということは「不確実」ということですが、人は不確実なものほどハマる傾向があります。ギャンブルがその典型です。投資が必ず報われるギャンブルには、賭け事としての魅力はありません。不確実だから夢中になり、野球賭博に数十億円も注ぎ込んでしまうなんてことが起きるのです。
このことは心理学の世界では以前から定説になっています。中でも、バラス・スキナーによる「スキナーボックス」という、ネズミを使った実証実験が有名です。
レバーを押すとエサが出る装置に、次の4つのパターンを設計しました。
1、レバーの押し下げに関わらず、定期的にエサが出る。
2、レバーの押し下げに関わらず、不定期でエサが出る。
3、レバーを押すと、必ずエサが出る。
4、レバーを押すと、不確実にエサが出る。
普通に考えると、「3」が最もレバーを押すようになると思えますが、実は、最もレバーを押すのは「4」なのです。
(ちなみに、レバーを押す回数は、多い順に4→3→2→1)
つまりハマるということです。
不確実性の力を応用するためには「自分で行動を決める」という自律性が欠かせません。
誰かの指示命令で行動した場合、それによって得られる喜びは限定的だからです。
以上のことから導き出される結論は、顧客に喜ばれることを自らの意思で行う会社ほど、社員を成長させるということです。
つまり「いい会社」が人を育てるというシンプルな結論なのです。
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