人手不足を根本から解決する「共感型採用」の進め方
人手不足になるのは、採用ができないからではありません。
採用数よりも、退職数が多いから起きるのです。よく「ザルで水をすくう」と言いますが、人手不足に陥っている企業で最初に行うべき対策は、水漏れ(離職)を防ぐことです。
そして、離職対策は、そのまま採用数も増やす事に直結する…一石二鳥が可能です。
今日の記事では、その実務について考察したいと思います。
どうすれば離職を減らすことができるのか。
この話をする前に、基礎知識として、米国の心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱する「二要因理論」を確認する必要があります
2つの要因とは「衛生要因」と「動機づけ要因」を指します。
大まかに説明すると…
1、衛生要因
具体例:賃金や福利厚生、職場環境など。
特徴:一定水準を下回ると不満足になるが、水準を満たしていたら、それ以上改善しても満足度は高まらない。改善すると瞬間的に嬉しいがすぐに慣れる。
採用活動で、衛生要因を全面に打ち出すと「入社がゴール」という人が集まります。できるだけ働かずに、楽をして賃金をもらうのが合理的と考える人を集めてしまいます。
2、動機付け要因
具体例:承認、仕事を任せられていること。仕事そのものが愉しい。達成感など。
特徴:心から仕事が好きになる。仕事の行為自体から喜びを得ることができ、仕事に夢中になる。より向上させたいという「マスタリー感情」が生まれる。
採用活動で、動機づけ要因に心が動き入社した人は「入社がスタート」と考え、自発的に働いてくれます。
婚活で例えましょう。
結婚相手を衛生要因で決める人は、一緒になったは良いが、すぐに慣れて、やがて不満を持つようになります。そして、他により良い条件の人がいると、すぐに浮気をします。
僕のブログの読者は、パートナーを、人柄や考え方、思想などで選ぶのではないでしょうか。一緒にいて話をすること自体が幸せ。理想を共有し、それを一緒に追い求めることができる相手を選ぶと思います。
企業における採用活動も同じです。
採用活動を成功させる要諦は、動機づけ要因を訴求する求人を行うことです。
今、賃金問題が盛んに論じられており「賃金を良くしないと採用ができない」と考える経営者が多くいますが、それは誤解です。
あまりにも世間水準と乖離していたら話は別ですが、そうでなければ動機付け要因に基づく採用活動をすべきです。
この話をすると「動機づけ要因に関心がある人なんて世の中に少ない」という方がいますが、そんなことはありません。
内閣府の調査「国民生活に関する世論調査」では、現代人は、モノの豊かよりも「心の豊かさ」を求める人が圧倒的に多いことが分かります。
もし、そういう人に出会えないならば、それは、とりも直さず、動機づけ要因を発信していないからです。
SNSを開くと、衛生要因ばかり求める人が多いように思えますが、それは動機づけ要因の愉しさを知らないために、従来の価値観で主張しているだけです。
もし、今、自社に動機づけ要因が足りなくても大丈夫です。
採用では、「こんな会社を目指している」と宣言すれば、それを一緒に作ってくれる同志が集まりますし、既存社員の啓発にもなります。
動機づけ要因に基づけば、離職者を減らすと同時に、採用も増やすことができます。
是非、研究していただくことをお勧めします。
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