婚活をモデルに、理想の採用活動を考察する
採用活動は「婚活」をモデルにすると理想的なあり方、やり方が観えてくると思います。
以前に、ベテラン婚活コーディネーターが、上手くいかない婚活について次のようなことを教えてくれました。
「条件を互いに要求し合うと上手くいかない」
婚活のゴールは成婚ではありません。晩年になっても「この人を伴侶に選んで良かった」と思えるような人生を送ることが大切だと思います。
相手に対し、「私に何をしてくれるの?」と要求するのではなく、自分が相手に何ができるかを考えた方が上手くいくということです。
その視点で、ダメな採用活動を考察すると珍妙な風景が観えてきます。
世の中には、高賃金をウリにし、「この賃金に見合う、どれだけの働きができるのよ?」と横柄に迫る経営者がいます。
婚活で言うと「私と結婚したければ、何ができるか言え」と言う輩と同じです。
破局は時間の問題でしょう。
買い手市場(求職者の数よりも企業の求人数が少ない状態)の時に横柄な採用活動をする企業があります。
婚活で言えば「私はモテモテなの。別にあなたじゃなくても良いんだけど、私に尽くしてくれるなら結婚しても良いけど」と言わんばかりの態度です。
そういう企業に限って、売り手市場になると「是非、私と結婚してください。してくれたら、うんと家族サービスをします」というようなことを言い出す。
人手不足だから誰でもいいという企業は、「結婚してくれれば誰でもいい」となる(笑)
件の婚活コーディネーターは「婚活は、自分の考え方と同じ人を引き寄せる」と言いますが、採用活動も同じではないでしょうか。
相手に条件ばかり要求する人は、同じような人を引き寄せ、駆け引きが始まります。
この関係では、より良い条件を提示する別の相手が現れると、いとも簡単に関係を解消してしまいます。
今後、解雇規制が緩和されると、こうした事案が増えることが予想されますが、これでは組織に文化や思想などは蓄積されません。
婚活コーディネーターは、健全な幸福観を持つことを勧めています。年収などの条件は、幸福な人生を送るための「手段」です。幸福観によって、必要な手段は変わってきます。
採用活動も同じではないでしょうか。
採用が優れた企業は「仕事を通じ、こんな人生を送りたい」という価値観、人生観を持っていて、採用活動では、その実現に向け、企業と社員が協働できる関係かどうかを吟味します。
幸福の手段に過ぎない賃金などの条件が目的になると、婚活では成婚が、採用とでは入社がゴールになってしまいます。
幸福観で繋がった関係は、入社がスタートになりますので、言われなくても自発的に行動するのは自明のことと言えます。
コーディネーターは、幸福観のズレを「ボタンのかけ違え」と表現していましたが、最初に発生したズレは、どこまで行っても交わることはありません。
1個目のボタンをしっかりととめることが大切だと考えています。
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