後継社長の組織づくりは「急がば回れ」で上手くいく。

今日の記事は、これまでも何度も書いてきましたが、とても重要なことなので改めて書きました。
会社の改革に取り組む後継社長に向けての記事です。

自分の代になり、これまでの風土や習慣、あるいはビジネスそのものを変えたいと思っていても、最初は、なかなか社内に賛同者は現れないものです。
結論を先に出せば、そんな時は「たった1人を味方につける」ことに徹するのが正しいアプローチだと考えます。

先日、ホワイト企業大賞の審査で伺った企業の社長が、自身の代に就任した20年前のことを、次のように回顧していました。

「とにかく専務と飲みに行って語り合ったなぁ」

専務は自分の代で採用した人ではなく、先代のもとで入社した方で、その当時はまだ専務ではありませんでした。

同社は4代目になり、いかんともしがたい事情で、全く違う業態に大転換しました。
違う商売に変わったわけですから、社内は混乱したと思います。
そんな大転換期を、たった1人の味方をつくることから始め、乗り越えたのです。

メンバーにとって社長という存在は特別なので、自分と同じ立場で影響力がある人を見て、自分の行動を変えます。

「羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れとなる」ヨハネ福音書10章6節

聖書の言葉を、羊をメンバーに、羊飼いをリーダーに置き換えてリーダーシップを語る人が多くいますが、羊飼いは「味方第1号」と解釈したほうが良いと考えています。

味方第1号とは、社員の中で最も影響力を持つ人ですが、仕事ができる人とは限りません。

おそらく、その人は、先代が育てた番頭だと思います。

後継社長は、自分で採用した若い社員をナンバー2にしたいと考えてしまいます。
しかし、番頭は、その態度を自分への否定と捉えるでしょう。

改革は、ある意味で過去の否定です。
番頭は、改革=過去の否定=自分の否定と受け取る可能性があります。

自分を否定されたと思い込んだ番頭は、その恐れから仲間を作ります。
仲間をつくる最も手っ取り早い方法は共通の敵をつくることで、矛先は社長に向けられます。
こうして社長の抵抗勢力になるのです。

こうなると組織は機能不全に陥ります。
仮にメンバーの中で、社長のビジョンに賛同する人がいたとしても、賛同を表明することはできません。
こうなると、番頭が退職するまで組織改革はできなくなるでしょう。

脅しのような記事になりましたが、この状態に陥ると、リカバリーには膨大な時間と労力を要します。

後継社長の組織づくりは、まさに「急がば回れ」…まずは「たった1人」味方をつくることから全てが始まると考えます。

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