リーダーに忖度する組織風土の直し方
「忖度」の意味は「他人の気持をおしはかる」ということで、日本人ならではの美意識を表した肯定的な言葉です。
しかし近年、政治絡みで「上の者におもねる」という意味で使われたため、否定的に捉えられるようになりました。
確かに、日本人はその傾向が強いと思います。
権力に依存する度合いを「権力格差」と言いますが、日本は世界でも格差が大きい国だと言います。
水戸黄門が最後に、印籠をデデーンと出して場を収めると、何とも言えない安心感を感じますからね。
一方、依存は反抗心と表裏一体で存在します。なので半沢直樹を見るとスカッとするわけです。
権力格差が小さい北欧諸国などは、部下は、上司が何かを決める際に、事前に自分に相談することを期待します。
また、部下が上司に「それはおかしいでしょ」と反論することは当然とされていますし、反論が単なるワガママにならないように、ちゃんと勉強を怠りません。
日本は、上司に異を唱えることに抵抗を感じる人が多いのですが、そろそろこの習慣を変えなければいけない時期に来ていると思います。
その理由は、忖度する相手=「上の者」が正解を示すことができない、未曾有の時代に入っているからです。
前例にないことが頻繁に起きる時代では、経験豊富の価値は日々減損するばかりです。
経験豊富の負の側面は、代わり映えのしない意思決定しかできないことにあります。
このことは、電器店に並ぶ、メーカー名を隠せば見分けがつかない電化製品たちを見れば分かりますよね。
他社と変わりなければ価格競争に巻き込まれ、付加価値高(粗利益)を減らすので、賃金を増やすこともできません。
斬新な製品は、どれも果敢な挑戦により生まれますが、そこには斬新なアイデアを唱える人と、それを受け入れるリーダー層の存在があります。
実際に、権力格差が小さいデンマーク、スイス、オランダ、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった国々には付加価値の高い商いをする企業が多く、国際競争力ランキング上位にランクインしています。
権力格差の縮小には文化レベルでの変容が求められるため、非常に時間がかかりますが、着手しないわけにはいきません。
指示ゼロ経営では、権力格差の是正に関して「三猿」をメタファーに学びます。
三猿とは、日光東照宮などにいる「見猿」「言わ猿」「聞か猿」です。
見猿…問題を直視せずに蓋をしてしまう。
言わ猿…言うべきことを言わない。
聞か猿…他者の意見を聞かない。
「見猿」から始まり、上司が「聞か猿」に、部下が「言わ猿」になると権力格差が大きくなるというわけです。
それを防ぐためには、上司か部下、どちらかが学ぶだけでは不十分で、全員で学び共通認識をつくる必要があります。
水戸黄門が印籠を出す前に、うっかり八兵衛に相談したらドラマとしては面白くありませんが、現実には必要なことだと思います。
是非、今日の記事は社内で共有してください。
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