「奪い合えば足らぬ。分け合えば余る」の思想を経営に実装する

相田みつをさんの「奪い合えば足らぬ。分け合えば余る」という言葉を、社会や経営に実装するにはどすれば良いか?そんなことを考えています。

社会全体で言えば、もはやボトルネックは生産ではなく分配であることは言うまでもありません。
経営においても、人材が不足しているなら、副業などを通じ、企業を超えて分かち合えば良いわけです。
今では、副業希望者を募るプラットフォームがありますが、ここに解決のヒントがあると考えています。
この手のプラットフォームは、副業したい人の情報を一箇所に集め、その後シェアしますね。
この「一箇所に集めシェアする」(ギブ・アンド・シェア)という手法は人類の英知だと思います。

今、縄文時代のあり方が見直されています。みんなで協力して狩りをして、成果物を一箇所に集め、みんなでシェアするというあり方です。
富の偏りを避け、食いっぱぐれを防ぐという意味では、ベーシックインカムような社会保障システムと言えるでしょう。

ベーシックインカムがあると安心して暮らすことができるので、ちょっと勇気を出して新しい狩りの方法を試すなんていう挑戦ができるようになり、ノウハウがバージョンアップする確率が高まります。

もし、これが個々が独立して狩りをしていたらどうなるでしょうか?
食べきれない肉は干し肉にして、個人でストックするようになります。そして、「これをくれたら干し肉をあげる」とギブ&テイクの関係性が始まると思います。

もちろんギブ&テイクを否定するわけではありませんが、交換活動の中で貧富の差が生まれます。ギブ・アンド・テイクが行き過ぎると競争が激化し、「奪い合えば足らぬ」のディストピアに陥る可能性があります。

資本原理主義を邁進した国のようですね。

九州地方に「ギブ・アンド・シェア」の知恵を経営に活かしている企業があります。
メンバー1人1人が持っているスキルや情報といったリソースを一箇所に集め分かち合い、今いる人材で組織の能力の最大化を実現しています。

具体的には、メンバー全員が、自分の得意と苦手を宣言し、メンバー間で共有しています。宣言は「こういう仕事はしたいが、こういう仕事はしたくない」といった、非常にコントラストがハッキリした表現をしています。
この宣言は、単なるワガママではなく「私はチームのために自分の得意を提供します」という意思表示の意味で行われているのです。

一箇所に集まった能力たちを見ると、プロジェクトの行う際に、最適な人員配置を自分たちで行うことができます。

ちなみに、社員さんの評価は成果主義ではなく、報酬は原資を人数割しています。僕が社長に「それではサボる人が出ないですか?」「成果を上げている人から不満が出ないですか?」と質問をしたら次のような答えが返ってきました。

「普段から人間関係が良く、チームワークも良いので、成果が出せなかった人は、罪悪感のよう
なものを感じ、次は頑張ろうと言う気持ちになります。仲間たちも応援します。こうしてチーム全
体が良くなっていくのです」

「ギブ・アンド・シェア」はチームのために開かれた関係性で、人の成長を促すとともに、新しいことへの挑戦意欲が高まります。
結果、その方が富の量は増えていくと考えるのです。

勿論、働く人の幸福度も格段に向上するでしょう。

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