考える前に行動してしまう馬鹿を焚きつける馬鹿になれ。

世の中には2種類の馬鹿がいるという話を聞きました。
「考える前に行動する馬鹿」(以下、前者)と「そんな馬鹿を排除する馬鹿」(以下、後者)です。
今、社会の至るところで、両者による戦いが繰り広げられています。

前者は「前例があることをしていたら『どこも同じ』になってしまう。どんどん挑戦すべき」と考えますが、後者は、真っ先に「失敗したら責任を問われる」と考え、行動にブレーキをかけます。

電器店に行くと、メーカ名を隠したらどこのメーカーのものか分からない、同じような製品が並んでいますが、それを見ると、後者の方が優勢であることがうかがえますね。

後者が優勢な理由は、彼らが意思決定層にいるからです。

先日、とある上場企業で研修をした際に、開発部門の方が「大企業あるあるだが、面白いアイデアほど上に潰される」と嘆いていましたし、その体質に危機感を持っていました。
上の人たちには3つの口癖があると言います。

1、市場はあるのか?
2、利益は出るのか?
3、責任は取れるのか?

本当に困った質問です。
そもそも、斬新なものは、なぜ斬新なのかというと過去にないものだからです。過去にないものだから市場も利益も、やってみないと分かりません。思考が、差別化、独自化を目指す経営の本質からズレているのです。
それが予測できるとしたら、電器店に行けば、メーカ名を隠したらどこのメーカーのものか分からない「斬新な製品」が並ぶというこという矛盾した現象が起こります。

しかし、後者がそうなってしまった背景には、いかんともしがたい理由があるのです。
後者が育った時代は、経済が順調に成長する時代でした。その時代では「失敗しなければ成長する」という論理がまかり通りました。身についた思考は、時代が変わっても簡単には変わりません。

同じ馬鹿なら、違う馬鹿を目指すべきではないでしょうか。

カリフォルニア大学のジェーン・サイモント教授は、知的生産の「量」と「質」の関係を研究した結果、質の高い産物は、量が最も多い時期に生まれたことを明らかにしました。同時に、その時期には駄作も多く生まれたことも明らかになっています。
つまり、たくさん試す中で偶然の発見を得て、素晴らしいアイデアにたどり着くということです。

組織的にそんな活動を支援しているのがGoogleや3Mなのです。
そこには、ニュータイプの馬鹿がいると思います。

「考える前に行動してしまう馬鹿を焚きつける馬鹿」

リーダー層は、どうせ馬鹿になるなら、そんな馬鹿が良いのではないでしょうか。


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