人材育成は「どのように育って欲しいか」を部下に伝えると上手くいく

人材育成のコツは「どのように育って欲しいか」を部下に伝えることだと考えています。
ドラゴンボールのフリーザが段階的に変容するように、成長イメージをステップ化すると自分から育ってくれます。

教育には「教え育む」と「教わり育つ」の2つの側面がありますが、後者の方が圧倒的によく育ちます。
ステップが分かると、それが可能になるのです。

では、人材育成のステップとはどんなものでしょうか。

「組織論再入門」などの著書で知られる、野田稔氏は、若い頃、先輩に、「30歳になる前に会社を批判しないヤツは腑抜けだ。でも、30を超えて会社の批判しかできないヤツはバカだ」と言われたと、著書の中で述べています。

ここに成長ステップの原型を見ることができます。

1、会社の課題を発見できる。
2、課題の解決策を提示し行動できる。

というステップです。

入社3年もすれば、誰でも1の段階には到達すると思います。居酒屋で会社員集団の話に耳を傾けると、大抵、「ウチはここがダメだよな」なんて話で盛り上がっていますね。

ところが、1で止まってしまう人が多いのです。

「もっと自由に発言できる雰囲気が必要なんじゃないでしょうか?」
「賃金が同業他社と比べ安いと離職が増えるのでは?」

まるで「提起するのは自分、解決するのはリーダー」とでも言わんばかりの態度ですが、課題を提起するだけの部下が多いと、リーダーは1人で抱え込み孤独に苛まれることになります。

このように書くと、ディスっているように感じるかもしれませんが、そうではありません。
30歳になる前にこうなっていないと困るわけですから。

肝要なのは1から2のステップアップへ…つまり、課題の発見にとどまらず、解決策の提示ができるようになることです。

そのために必要な思考は次の通りです。

・理想を描く。
・理想実現の方法を考える。

まあ、当然といえば当然のプロセスですが、1で止まっている部下に対し、上記2つを問うてみると事が進むのです。

「もっと自由に発言できる雰囲気が必要なんじゃないでしょうか?」という課題に対しては、「どんな状態になれば良いかな?」と問い、その答えに対し「何をすれば、そうなるかな?」と問いを重ねていきます。
アイデアが出たら「やってくれ」と無茶振りをすればよいのです。

すると「なんで私が?」と言うと思いますが、それに対して僕はこう言い続けてきました。

「自分の手で世界一魅力的な会社をつくれるから」

指示ゼロ経営では、これを集団で取り組みます。
同じ課題を持つ数人がプロジェクトチームをつくり、みんなで理想を描き、解決アイデアを出し、役割分担を決め実行します。

2ができる部下が1人でもプロジェクトチームにいると、すぐにその人の思考が仲間に伝染します。
1人が2人に、2人が4人に…と加速度的に成長するでしょう。

成長のステップをまとめると…

▢まずは課題提起ができる人になる。
▢次に、提起だけでなく理想と解決策を考えることができる人になる。
▢それをチームで取り組む。

「どのように育って欲しいか」を相手に伝えることで育成はスムーズになりますのでお試しあれ。


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