仕事を減らせば成果が増える。ペイオフマトリクスの活用法

自律型組織で仕事を進める際には「仕事を増やさない」ことに注意を払う必要があります。
自律型組織では、メンバーがアイデアを活発に出し事業計画を作成するので、非常に多くのアイデアが出ます。
それはそれで嬉しいのですが、それらをすべて実行しようとすると仕事が雑然とし、時間、コスト、エネルギーが散漫になり、効果が出ません。

アイデアの取捨選択をしたくても、アイデアを発案した仲間に悪いとの思いから、なかなか捨てることができません。

それを防ぐためには、出たアイデアを「効果」と「難易度」をもとに振り分ける「ペイオフ・マトリクス」にかけるのが有効です。
縦軸に効果、横軸に難易度を引き、1つ1つのアイデアをプロットします。すると下のようなマップができ、優先順位が可視化されます。

「効果が高く実行が簡単なアイデア」(図ではAとB)から取り組むのが良いということになります。

アイデアの効果は、パレート分布…つまり、数にして2割のアイデアが全体効果の8割を占めるという分布になっていることが多いので、優先順位の高いアイデアを数個実行したら、意外と早く全体成果に到達するものです。
到達したら、未着手のアイデアは実行せずに、別のプロジェクトに進むことができます。

この方法は、アイデアの取捨選択ではなく優先順位を決めるだけなので、アイデアを出した仲間に対し、変に気を遣うことがありません。

優先順位が決まったら、「それを誰がやるか」…担当決めを行いますが、その際の選任において注意点があります。
多くの人が、難しい課題にベテランを、簡単な課題に新人を配置してしまうという過ちを犯します。
これだと「どちらも失敗」となり、プロジェクトが頓挫する危険性があります。

ベテランを「効果が高く実行が簡単なアイデア」に配置し、難しい課題はリーダーが担当し、そこに新人をつけるというのが正しい人選です。

今日ご紹介したテクニックは、ある程度、自由に発言できる雰囲気がある組織で有効です。
会議でメンバーが下を向いて黙っているような雰囲気の場合、まずは忖度なく自由に発言できる風土をつくることが先決になります。

自律型組織は、非常に自由闊達ですので、工夫をしないとカオスに陥ります。適切なテクニックを用い、自由と秩序が両立した状態(これを「コスモス」と言います)をつくることが大切です。


【お知らせ】
ある程度自由に発言できる雰囲気があれば、プロジェクトマネジメントを習得しましょう。
パート社員を1人雇用するくらいの投資で、米澤が、研修から実行まで一定期間、しっかりと関わります。
自分たちで課題を設定し、みんなで知恵を出し、役割分担を決め実行する、機動力の高い組織に変容するでしょう。
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