多数決は組織をダメにする
何かを決める際に、すぐに多数決をとっているとしたら、即刻やめた方が良いです。
多数決は民主的で、とりあえず皆んなが納得する方法ですが、皆んなが納得するが故に、極めて平凡でつまらない結論しか出せない組織になってしまいます。
平凡=他と同じということなので、独自化・差別化という経営の本質から遠ざかることになります。違いがなければ、顧客は価格で選びますので、あっという間にレッドオーシャンになります。
独自性の高いアイデアは、「これまでになかったもの」ですので、多数派から見たらキワモノに映り、多数決を取ると、あっという間に葬り去られてしまいます。
加え、頭の古い管理職は「それで儲かるのか?」ということを平気で口にします。
そもそも、独自性が高いということは、前例がないことを意味しますので、儲かるかどうかは事前に分かるものではありません。
事前に分かるものは、すでに市場が形成されている分野です。しかし、先述した通り、そこは真っ赤っ赤です。
そのくせに、こういう頭の古い人に限って「イノベーションが大切だ」とか「今は正解がない時代だ」とか言う。
矛盾していることに気づいているんですかね?
多数決をとらないとすれば、どのように集団意思決定を行うべきでしょうか。
その方法には…
1、少数派のアイデアを多数派が納得する。
2、複数のアイデアを並走で検討する。
この2つのケースが考えられます。
1、少数派のアイデアを多数派が納得する。
おそらく誰もが経験したことがあるであろうケースです。自由に話し合っているうちに、誰かが面白いアイデアを出し、そこにフォロワーが付き、やがて多数派が納得するという形です。
通常では、少数派のアイデアは瞬時に否定されますが、影響力がある人が早い段階でフォロワーにつくと、否定に「待った」がかかります。
挑戦的な文化を作りたければリーダーが積極的にフォロワーになるべきでしょう。
早い段階でフォロワーがつかない場合もあります。その時は、結論を急がず、じっくりと対話を続けます。
そして、最終的に挑戦するかどうかの判断は損得勘定です。
「前例にないからやらないとレッドオーシャンに巻き込まれる」
「前例がなくてもやれば、市場の先駆者になれる」
「前例がないことをすれば失敗のリスクがある」
これらのパターンがありますが、ゲーム理論でいう「絶対優位」の考え方をとれば、挑戦のリスクを何らかの工夫により減らせば、絶対に挑戦した方が良いという結論に至ります。
リスク保全の工夫は想像以上に方法はあるはずです。
2、複数のアイデアを並走で検討する。
これは意見が割れた時の対応です。意見が割れた場合は、早い段階でどちらにするか決めずに、各意見グループで研究を重ねます。
その後、各グループが自分たちの案を発表し、互いから批判をもらいます。批判を受け、各グループはさらに研究を深めます。
それでも意見が割れ、意思決定できない場合は、最終決断をリーダーが行います。
実は、この方法は、1961年に起きたピッグス湾事件の際に、ジョン・F・ケネディが採用した方法です。
いずれの方法も、忖度の文化を持つ日本人には難しいと思いますが、成熟社会において新しい価値をつくるためには避けて通れないことだと思います。
和を重んじながら本音で対話できる…アップデートした対話を目指していきたいとことろです。
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