変化に即応する組織が実践している「もがく」を愉しむ仕事術

企業は、数値的な目標であったり、理念やビジョンであったり、様々な理想を掲げます。
その理想に向かい、みんなで力を合わせ頑張るわけですが、「すべて計画通り」ということは皆無で、右往左往したり、進んだり戻ったりしながら前進しますよね。

先日、大磯のビーチに行き、何も考えずに、寄せては返す波をぼーっと観ていました。
その時に、ふと「生きているものは動き続ける」という気づきが浮かんだんですね。

その気づきが浮かんだ次の瞬間、長野県小布施町の「浄光寺」で体験した「スラックライン」のことを思い出しました。
スラックラインとは、細いベルトの上でバランスを楽しむスポーツです。綱渡りのような状態で、ベルトの上を歩いたり跳ねたりします。

「なんで寺でスラックライン?」という疑問への回答は文字数の関係で割愛しますが、僕はスラックラインから人生の大事を学んだのです。
初心者はラインの上に立つことから始めますがこれが難しい。ラインの上でグラグラし、必死でもがく僕を見て、和尚の林 映寿さんが言いました。

「もがけもがけ!人生と同じだ!」

ここで話を経営に移します。
企業はお客様の要望やライバルの動向、景気や為替相場などの外部環境の変化に合わせ、日々、もがき続けていますよね。
そして、つい「早く理想に到達して落ち着きたい」「外部環境にビクともしない頑強さが欲しい」と思ってしまいます。

しかし、外部環境は永遠に変わり続けます。変化がなくなる時は「この世が終わった時」です。
ビクともしないのは強さの証と思ってしまいますが、柔軟さがなく変化に対応できないので、実は非常にもろいのです。
老師の「生物は死ぬと固くこわばる。つまり固くて強いことは”死の仲間”である」という言葉通りだと思うのです。

私たちは「もがく」ということを、もっとポジティブに受け止める必要があると思います。
それは「揺れ動く今」を愉しむということで、そのためには、「理想のために今を我慢する」という発想を捨てることです。
そうでないと、人生が「報われることのないディストピア」になってしまうと思うのです。

「この不安定な日々がずっと続くのか」と、想像しただけで疲れてしまうかもしれませんが、そんな時、僕はチャーリー・チャップリンの言葉を思い出すようにしています。

「人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である」

映画化されるような変化に富む人生が面白いのではないでしょうか?

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それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!