「走りながら改善する」経営が、組織の機動力を高める
ジム・コリンズの名著「ビジョナリーカンパニー」の中で、優れた組織の特徴として「たくさん試して上手くいった方法を残す」という要件が紹介されています。
これは、正解がない時代を生きる中小企業経営の王道だと思います。
正解か分からない時は、とにかく実際にやってみなければ何も始まりません。やれば分かることがあるので「やってみて何かを掴み、そこから道を創る」という進み方が最も有効です。
大きな会社では難しいことが中小企業では可能なのですから、これからは本格的に中小企業の時代が来ると思うのです。
そのためには、試行錯誤に耐えられる組織をつくる必要があり、故に、自律性の高い組織に注目が集まっているのだと思います。
・自ら課題を設定し
・みんなで知恵を出し
・役割分担を自分たちで決め行動し
・行動した結果や変化を振り返り
・新たな課題を設定する
この一連を自律的に回し続け、プロジェクトを進められる組織が「試行錯誤に耐えられる自律性の高い組織」ということになります。
ところが、試行錯誤のあり方に関して、ずいぶんと誤解が生じていると感じています。
先ほどの一連のプロセスで言うと…
・課題を確認し、アイデア出しと担当決めの会議を行い
・担当者各々が実行し
・およそ2週間後に振り返りの会議を設け検証する
といった進め方をイメージする方がいますが、それは大きな誤解です。
そんな定型的でスローな進め方ではなく、「一連のプロセスが渾然一体としたまま前進する」という進め方をします。
・課題を確認し、アイデア出しと担当決めを行い
・担当者各々が実行し
・実行しながら検証し改善策を出し再び実行する
という風に「走りながら改善する」という進め方をします。
そうなると、ミーティングは、定例ではなく、「必要な時に必要なメンバーがサッと集まり、オフィスのど真ん中で立ったまま」行うようになります。
ミーティングは会議室ではなくオフィスに居ながら行うので、話し合いの内容は参加していないメンバーにも共有され、風通しが良くなります。
プロジェクトの進め方が下手だと、会議時間はものすごく長くなります。
マメにミーティングをしないと、その間に状況が変わるので、現状報告と整理から始める必要がありますし、未解決の問題が山積した状態で会議に臨むことも多く、会議が迷走します。
掃除に例えると、普段からマメに掃除をしないと、たまの大掃除に膨大が時間がかかるということです。疲れるわ、お金はかかるわ、手遅れの汚れは発見されるわ、探していたものが今さら出てくるわで、乱雑さを極めます。
大まかな目安ですが、会議に90分以上かかっていたらプロジェクトの進め方を根本から見直す必要があるのではないでしょうか。
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