社長が90%のメンバーに嫌われても優れた経営ができるワケ

組織成功の最も重要な要因を挙げれば「人間関係」ということになると思います。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の「成功循環モデル」では、人間関係を発端とする組織活動の好循環を、次のように説いています。

「関係の質が上がると」→「思考の質が上がり」→「行動の質が上がり」→「成果の質が上がり」→「関係の質が上がり」…(以下、サイクルを繰り返す)

悪循環もあります。「関係が悪い」→「ろくなことを考えない」→「低レベルな行動しかできない」→「結果が出ない」→「不満を他者にぶつけ関係悪化」…(以下、繰り返し)

関係の親密度には段階があります。
「挨拶や世間話程度の関係」「日常業務の話ができる関係」「深い対話ができ、互いを応援し合える関係」「同志の関係」
組織が進化するためには、最低でも「深い対話ができ、互いを応援し合える関係」を築く必要があると思います。

ところが、世の中には、嫌われているのに成果を上げているリーダーがいます。

なぜ、そのような事が起きるのでしょうか。

結論から言うと「急所となる人物」をおさえているということになります。

組織のパフォーマンスは、リーダーの想いやビジョンにコミットした人の割合で決まります。その割合が増えるプロセスはざっと次の通りです。

1、たった1人の賛同者が現れる。
2、賛同者が20%に到達する。
3、成功事例が出て一気に増える。

図解のBさんが「たった1人の賛同者」です。CさんはリーダーではなくBさんの影響を受け、自分のスタンスを決めます。Bさんが「一緒にやろう」と誘うえば乗ってくるでしょう。
DさんとEさんはCさんが誘うと乗ってきます。多数派は成功事例が出た時に動きます。
このように、メンバーにはそれぞれ、影響される「人」や「コト」が存在するのです。

嫌われているのに成果を上げるリーダーは、急所であるBさんを味方につけています。BさんはCさんとDさんを味方にすれば良いのです。
味方がいると心理的安全性が高まります。「味方の味方は味方」ということで、個々のメンバー同士には色々とあったしても、全体として深い親密度が担保されるのです。

このプロセスの中で最も重要なのは、リーダーとBさんとの関係です。ここがギクシャクしていると組織がムーブメントを起こすことは難しくなります。

全員を味方をつけるリーダーなんていません。みんなに好かれようとすると、忖度や不要な同調が増え逆効果です。

急所となる人物をおさえれば良いと考えると、気持ちが少し楽になるのではないでしょうか。


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