意思決定の質とスピードを異次元レベルに引き上げる2つの思考法

エジソンの「1%のヒラメキと99%の努力」という言葉を「努力が大切」と誤解する人が多いのですが、真意は「1%のヒラメキがなければ努力のしようがない」ということだそうです。

このことは意思決定にも言えることで、正しい意思決定をしないと、その後の努力は報われません。また、どんなに正しい意思決定をしても、メンバーが納得しないと組織ぐるみの活動はできません。
正しく納得度の高い意思決定は、企業の未来を決める一大事です。

意思決定の質を高める方法として「集合知」があります。いわゆる「三人寄れば文殊の知恵」ですが、これも非常に誤解をされていると感じています。

3人集まれば良い知恵が出るわけではありません。
最初からみんなが納得するように話し合うと、とんでもなく陳腐なアイデアしか出せません。

意思決定の質を高めるためには、話し合いの内容によって「どのように決めるか?」を変える必要があります。

話し合いの内容には3種類あります。

1、0から1のアイデアを生み出す話し合い
2、生み出されたアイデアの選択、あるいは実務の話し合い
3、ルールや制度を決めるための話し合い

「0→1」の意思決定で、みんなが納得するように話し合うと、大抵、陳腐なアイデアしか出ません。A案とB案とC案が話し合いのテーブル上に上がると、「AでもありBでもありCでもある」という当たり障りのない、鋭さも求心力もないアイデアしか出せません。

0→1のアイデアには斬新性が必要ですが、斬新なものは多数派の常識とはかけ離れていますので、最初から受け入れられることはありません。
多数派の意見が交じると凡庸になってしまうので、純度の高いまま推し進める必要があります。
そのためには、「そのアイデアを採用するかしないか?」から、「まずは試してみる」という方向に、意思決定のレールチェンジすることが有効です。
僕は、社員が出した斬新なアイデアが会議で揉めた時に、「じゃあ、とりあえず試しにやってみて決めようよ」とレールを変えたことが何度もありますが、その一声がリーダーの重要な役割だと思っています。

「生み出されたアイデアの選択、あるいは実務の話し合い」と「ルールや制度を決めるための話し合い」に関しては「弁証法」を使うのが有効だと思います。
Aという案があり、それに反対するB案があった場合、両者を否定することなく統合する新しいC案を導き出すのです。

A案とB案、それぞれのメリットとデメリットを全て出した上で、メリットが最大化し、デメリットが解消される道を探るとやりやすいと思います。

スピードは経営の生命線と言われますが、スピード感に欠ける組織は意思決定が下手です。
自社の意思決定のあり方・やり方を見直してみてはいかがでしょうか。


※「三人寄れば文殊の知恵」を鍛えよう!
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自分たちで課題を発見し、みんなで知恵を出し、協働し解決する『プロジェクトマネジメント』の全容を学びます。文殊の知恵の出し方も学びます。