「買い物」とは、我々ができる社会革命である

最近、我が家は買い物が上手になりました。
昔から「安物買いの銭失い」といいますが、安いものを買っては廃棄するという消費行動に嫌気がさし、ちゃんとしたものを買うようになったのです。
「安物買いの銭失い」とは、安い物は品質が劣るから、結局、高くつくということを意味しますが、僕が考える「安いもの」とは、価格に限定した話ではありません。
想い、手間暇、売り手と顧客の関係性…あらゆる意味でチープという意味です。

そんな「安物買い」から脱却した時に、とてつもない豊かさが訪れるのです。

具体例を紹介すると分かりやすいと思います。
近所の魚屋さんは、店主が自ら目利きした美味しい魚を取り揃えています。お店に行くと「おう、これを買わんと後悔するぞ」と脅します 笑
そして「絶対に買っていけ!」と命令します 笑

実際に食べると、その言葉が大げさでないことが分かります。

「今日、マグロある?」と聞くと「ああ…あるけどよ、急がないならもっと良いマグロが明日入るから、明日来い」と売ってくれないことも多々あります。

↓ちなみに、こういうところも好き。

我が家は、気付くと、店主のファンになっていました。
あの態度も職人ぽくって好き。仕事は信頼できる。そして、高齢者が買い物難民にならないような社会的な活動もされており、その思いに共感しています。

「好感」「信頼」「共感」の思いを寄せているのです。

僕は、このお店のことを、もっと多くの人に知ってほしいと願い、頼まれてもいないのに多くの人に勧めています。
勧める理由が明確にあるのです。
「顧客は美味しいお魚が食える」「お店も繁盛する」「地域の買い物難民が減る」

ある時、はたと気づいたのですが、僕の行為は、顧客の立場で「三方よし」を実践しているのです。

顧客が受け取るのは美味しい魚だけではありません。
「この前買った魚、美味しかったよ」と店主に伝えると、「そうだろ〜」と嬉しそうに目尻を下げて笑います。そして「今度は美味いマグロを仕入れてくるから待ってな!」なんて命令します。
僕が投げかけた、感謝と応援の気持ちを受け取った店主は、「もっと喜んでもらいたい」と、今度は僕に気持ちを返し、いい仕事をするのです。

その思いに触れる僕も心が豊かになるし、その様子を見ている他の顧客も心が温かくなります。
買い物難民に対する活動は非営利で行っていますが、僕がお店を応援することで、間接的に助かる高齢者がいると思うと、それも嬉しいのです。

取引というものは、商品・サービスの対価を払って完了し、関係が一旦終了しますが、このお店で起きていることは、「取引」ではなく「贈与」であり、関係は金を払った後にこそ始まります。

僕が、この事例で伝えたいことは、あなたの街にある、社会課題に取り組んでいる企業を応援して欲しいということです。
今、社会には、経済合理性が悪くビジネスにならない社会課題で溢れかえっています。
(ビジネスで解決する社会課題のほとんどは、すでに解決している)
子ども食堂、防犯活動、障がい者の雇用、刑務所を出所した人の就労支援など、多岐にわたります。
心ある事業者がそういう活動をする理由は、損得勘定ではなく「そうせずにはいられない」という衝動です。

そういう企業から購入する人は「小さな社会革命家」と言えると思うのです。
それは、他者のために我慢をするのではなく、件の魚屋さんのように、贈与の中に身を置き、珠玉の悦びがある活動なのです。

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